Monster Energy Yamaha MotoGPのフランコ・モルビデリが難しいウエット・コンディションに対応し、4位を獲得して貴重な13ポイントを手中にした。チームメイトのファビオ・クアルタラロはオープニングラップで他車に押し出されるも7位まで挽回し、ライダーとしての成熟ぶりを証明した。グリッド4番手からスタートしたモルビデリは前日のスプリントと同様にホールショット。
しかし第1コーナーでアウト側のラインをとり、4番手まで後退してしまう。このあと徐々に離されて早々に単独走行となったが、表彰台への望みは捨てていなかった。難しいコンディションのなかでも集中力を維持し、17ラップ目に2番手走行中のF・バニャイア(ドゥカティ)が転倒するとモルビデリは自動的に3番手に浮上。しかし長くは続かず、終盤で追い上げ的たJ・ザルコ(ドゥカティ)に先行を許してひとつ後退した。そのまま最後まで走り切って4位でチェッカーを受け、貴重なポイントを獲得。トップとの差は7.581秒だった。一方のクアルタラロはグリッド10番手から絶好のスタート。激しい水しぶきで視界が妨げられるなか、懸命にプッシュしていった。ところがオープニングラップで他車にぶつけられ、転倒は免れたものの9番手から16番手まで後退してしまった。クアルタラロは冷静に対処し、経験を活かして着実にポジションを上げていく。そして残り9ラップではスタート時と同じ10番手まで挽回し、バニャイアの転倒により9番手、2ラップ後にはL・マリーニ(ドゥカティ)をパスして8番手につけた。その後もペースは衰えず、残り6ラップで7番手に浮上。さらに6位との差をつめていったが、わずかに届かなかった。トップとの差は11.095秒。この結果、モルビデリは合計21ポイントでランキング9位へ浮上。クアルタラロは合計18ポイントでランキング10位をキープした。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計39ポイントでチーム・ランキング6位タイ。ヤマハは合計27ポイントでコンストラクターズ・ランキング4位を維持している。第3戦アメリカGPは2週間後、アメリカ・テキサス州オースティンで開催される。Monster Energy Yamaha MotoGPフランコ・モルビデリ(4位)「とてもハッピーです。コンディションや状況が変化するなか、あらゆる場面で良いパフォーマンスを発揮することができたので、それを評価したいと思います。やるべきことはわかっていて、改善が必要な部分については、遅れを取り戻すためにチームが必死に頑張ってくれています。ヨハン(ザルコ)が追い上げてくるのを見たときは悔しい気持ちになりました。そして表彰台を守るため全力を尽くしましたが、抑えることができませんでした。このことはとても残念に思っています。昨日は表彰台のほのかな香りをかぎ、今日は強い匂いを感じましたが、結局は届きませんでした。それでも今回は私にとって素晴らしい週末になりました。ここからさらに積み上げていく必要があります。今週はフィーリングがとても良かったので、次回オースティンでも同じ感覚をつかみたいと思っています。とても楽しみです」ファビオ・クアルタラロ(7位)「うれしさと悲しさの両方を感じています。オープニングラップでいつも、意味もなく私のレースを難しくしてしまう人がいるのです。スタートはとてもうまくいって、少なくともスタート・ポジションは維持できていました。ところが中上選手が、まるで最終ラップの戦いみたいなパスを仕掛けてきたのです。そんななかでも最後尾から7位まで挽回できたことはポジティブに受け止めています。ウエットでのペースは素晴らしかったので、その点には満足しています。でも状況が違っていれば、今日はトップ5が可能だったと思っています」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「昨日のスプリントではフランキー(モルビデリ)の表彰台獲得を心から期待し、今日もまた近いところまで行きました。結局は4位に留まりましたが、私たちとしては満足しています。路面のコンディションがとても難しかったので、このような場合にライダーは知恵を絞り、スマートな乗り方をしなければなりません。この13ポイントは非常に高い価値があります。ファビオ(クアルタラロ)の9ポイントについても同じことが言えます。気合が入り過ぎた中上選手に押し出されてしまったのは不運でした。これによりファビオのレースが完全に妨害されたことを考えれば、この行為がなぜ罰せられないのか理解できません。幸いファビオはウエットでのペースがとても良かったので、7位まで挽回することができました。2週間後の第3戦COTA(Circuit Of The America)ではパフォーマンス向上を再確認したいと思っています」
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