MotoGP 開幕戦ポルトガルGPは3月24日、2回のフリー走行が行われ、ホンダ勢はジョアン・ミル(Repsol Honda Team)が12番手、アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)が13番手、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が14番手、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が15番手という結果だった。午前のFP1は、雲の流れが速く、時折り小雨が降るあいにくのコンディションで、思うように周回を刻めなかった。
午後のFP2ではサーキットの電源設備トラブルと転倒事故のため2度の赤旗中断があり、両セッションともに集中力をキープするのが難しい一日だった。ホンダ勢最上位のミルは、FP1で2番手と好調なスタートを切った。FP1は小雨交じりの難しいコンディションだったが、FP2がウエットコンディションになることも予想されたため、前後にソフトタイヤを装着してタイムを上げる。コンディションが改善したFP2ではさらに0.433秒タイムを更新。トップから1秒差に14台という接戦の中で12番手だった。ミルは2週間前に同地で行われた2日間の公式テストで1分38秒762をマークしているが、この日は1分38秒394とタイムを更新し、RC213Vのセットアップが前進していることを確認した。リンスは、ミルと0.022秒差の1分38秒416で13番手。FP1では、1分39秒595で13番手だったが、FP2では1秒以上タイムを更新した。リンスも、2週間前の公式テストのタイムを更新しており、RC213Vのパフォーマンスを着実に引き出してきている。マルケスはFP1で10番手。FP2では、FP1のタイムを1秒以上短縮する1分38秒419をマーク。14番手で初日を終えた。一日を通してフィーリングはよかったというマルケスだが、FP2の3コーナーで転倒を喫し、それ以上のタイム更新は果たせなかった。中上貴晶はマルケスの後ろ、15番手に続いた。FP1は、小雨がぱらついた影響でセッション前半はほとんど走行しなかったが、雨が上がると14ラップを消化。完全なドライコンディションで行われたFP2では27ラップをこなした。ミル、リンス、マルケス、中上のホンダ勢4選手のタイム差は、わずか0.433秒。トップから中上までの差は1.118秒で、厳しい戦いだったことを証明する数字だった。MotoGPクラスは、今年から1大会2レース制となり、スケジュールも大きく変わった。金曜日の2回のフリー走行でQ2ダイレクト進出(10番手まで)が決まり、土曜日は30分間のフリー走行の後、Q1(上位2台がQ2に進出)とQ2が行われる。そして、日曜の決勝レースの半分の距離で争われる「スプリントレース」が午後3時にスタート。このレースでポイントが与えられるのは9位までで、1位なら12ポイントが与えられる。今年はこれまでと異なるレースウイークとなり、マシンのセットアップ、決勝に向けての戦略も新しい取り組みが求められる。グランプリに新たな歴史を刻む「スプリントレース」に大きな注目が集まっている。ジョアン・ミル(Repsol Honda Team)「ウインターテストから今日まで多くのことを改善できました。マシンのフィーリングもよくなっています。しかし、コース上ではもう少しできることがあったと思うので、まだ満足はしていません。しかし、チームと私は改善すべきポイントを理解しているし、何をすべきかも分かっています。それはとても大事なことです。今日はすばらしい一日だっただけに、12番手というポジションは残念です。明日に向けて気持ちを切り替えます。明日、Q1を突破するチャンスは十分にあると思います」アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)「全体的にはよくなっていると思います。しかし、グリップを改善して、レースペースを向上させなくてはいけません。その他、細かい部分についてまだまだ改善が必要です。明日も引き続きセットアップに取り組んで、Q2進出を目指します」マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「今日はホンダ勢全員がとても接近した一日でした。今日のマシンのフィーリングはとてもよくて、目標はダイレクトでQ2に進出することでしたが、それを果たせませんでした。ここはテストをしているサーキットなので、みんなとてもいい状態で限界まで攻めています。明日も激しい一日になると思います。全体的にはベストな一日ではありませんでしたが、明日は一歩前進し、もう少し速くなることを目標にしています。転倒したのは、2コーナーの後のブレーキングが遅すぎたためで、なんとか立て直そうとしましたがうまくいきませんでした」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU) アルガルベでは、2週間前に2日間のテストを行っていますが、そのテストから一歩前進することができました。マシンのフィーリングもよくなっています。まだ改善すべき点はありますが、今日の結果は前向きにとらえています。今年から土曜日にスプリントレースが行われます。コロナ禍の中で、同じサーキットで2週連続のレースというのは経験していますが、今年から始まるスプリントレースはレースウイークに2度のレースなので、今までとは全く違います。でも、これまで同じサーキットでの連続レースではいい結果を残せているので、とても楽しみです。明日の予選では、一つでも上のグリッドを目指します」
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