ポルトガルはアルガルベ・インターナショナル・サーキットでMotoGPの2023シーズンが開幕し、25日、プラクティス1(P1)とプラクティス2(P2)が行われた。P1はウエットコンディション、P2は2度のレッドフラッグ提示など波瀾の展開となったが、そのなかでも、この日を心待ちにしていたMonster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロとF・モルビデリが奮闘。クアルタラロは総合6位でQ2進出を決め、モルビデリは総合20位でQ1へと進んだ。
Monster Energy Yamaha MotoGPが2023MotoGP世界選手権への挑戦を開始した。その初日、クアルタラロは両セッションで最後までベストを尽くして総合6位を獲得。モルビデリはP1序盤でハイサイドの転倒があったものの走行継続に支障はなく、両セッションを走り切って総合20位となっている。今シーズンからレースウイークの形式が変更されたことで、金曜日の両セッションがより重要なものとなっている。ファンの声援に迎えられてコースに入ったクアルタラロは終始、マシン・セッティングに集中。終盤になるとタイムアタックのためにリアタイヤをソフト・コンパウンドに履き替えるライダーも多かったなかで、クアルタラロはフロントにソフト、リアにミディアムのコンビネーションを継続した。そして全16ラップ中16ラップ目で1分39秒281のベストタイムを記録し、トップから0.499秒差の8番手につけた。天候が回復した午後からのP2では、開始からわずか10分でトップに浮上。ドライ・コンディションを最大限に活用し、土曜日のスプリントと日曜日の決勝に向けた準備に取りかかった。途中、2度の赤旗中断があり進歩を阻まれることとなったが、走行が再開されるとタイムアタック・モードに切り替えてペースアップ。全29ラップ中28ラップ目に1分38秒015に更新し、トップから0.306秒差の6番手を獲得。両セッションの総合でも6番手となり、Q2進出を決めた。一方のモルビデリはスリックタイヤでP1に臨み序盤でハイサイドの転倒を喫したが、すぐさまマシンに跨りピットに戻って来た。コースに復帰するころには走行ラインが乾き始めていたため、終盤になると順調にポジション・アップ。全13ラップを走り、その12ラップ目には1分39秒629を記録してトップから0.847秒差の14番手で終えた。P2でもプッシュの準備を整えていたが、2度のレッドフラッグに阻まれて予定していたリアグリップの改善が思うように進まなかった。セッション終盤でプッシュして全29ラップ中27ラップ目に1分38秒978まで短縮するも、トップから1.069秒差の20位に留まった。Monster Energy Yamaha MotoGPファビオ・クアルタラロ(フリー走行総合6番手/1分38秒015)「順調に仕事を進められていると思います。私は昨年よりもずっと落ち着いた気持ちで臨めているのです。100%の状態ではないとしても、正しいやり方で的確に仕事ができていると感じています。今日は6位でトップとの差はわずか0.3秒です。明日はもっと前進できると思います。マシンの感触は良く、データを見ても決して悪い状態ではありません。このまま前進を続けて改善できるところを探していきます」フランコ・モルビデリ(フリー走行総合20番手/1分38秒978)「午後に1時間のプラクティスを行うのは新しい経験でした。でも今日は残念ながら、リアグリップに悩まされてしまいました。モディファイの構想は持っているので、それがうまくいくかどうか、明日、試してみます」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「いろいろな面で、良いことと悪いことが混ぜ合わさった一日になりました。ライダーもチームも新しいフォーマットに慣れる必要があるため、Q2を目指してプッシュする前に十分な時間がとれませんでした。さらにはP1とP2でライディング・コンディションが変化したり、第2セッションでは2度の中断に対応したりしなければなりませんでした。 ポル・エスパルガロに意識があると聞いてほっとしています。このように、すべてにおいてトリッキーな一日でしたが、ファビオ(クアルタラロ)は集中を切らすことはありませんでした。P2ではマルク・マルケスが何度もスリップストリームについてくるなかでも、最後は1分38秒015を記録しています。その一方でフランキー(モルビデリ)は苦戦しました。P1ではウエットコンディションで転倒してしまいましたが、幸い走行を続けることができました。タイムアタックではリアグリップに悩んで思うようなスピードが出ていませんでした。明日のフリープラクティス(FP)が非常に重要になります。30分を最大限に活用して、そのあとの予選と、初めてのスプリントに向けて準備します」