MotoGP - 土曜日午後から降り出した雨が日曜日の明け方まで続いたものの、朝には太陽が顔を見せ始めて路面を乾かし、イタリアGP決勝はドライコンディションでのレースとなった。しかしチームスズキエクスターライダーは揃って8周目に転倒、リタイヤとなった。チームにとって大きな失望の週末となった。週末を通してマシンセッティングに苦しみ、グリッド後方から決勝をスタートするジョアン・ミル、アレックス・リンスだったが、決勝ではひとつでも上のポジションでフィニッシュしようと巻き返しの決意でグリッドにつく。
トスカーナの丘にイタリア国歌が流れ、観客席が盛り上がった直後にシグナルが消えレースがスタートした。21番手グリッドからスタートしたリンスは好スタートを決めて、1コーナーではすでに6ポジションを上げて15番手で飛び込み、5周目にはさらに13番手まで順位を上げて追撃態勢に入る。一方のミルはスタートからペースアップに苦しみ、グリッドポジションと同位置の17番手で走行を続ける。安定したペースに落ち着いたミルは徐々にペースアップを図ろうと8周目にチャージを開始するが、その直後の1コーナーで痛恨の転倒。高速コーナーでの転倒のため怪我が心配されたが、幸いにもライダーに怪我はなく、ミルはレースから離脱する。しかしチームスズキエクスターの週末の不運はそれだけでは留まらず、ミルの転倒直後、今度は12コーナーでリンスが他車と接触して転倒。2台揃って戦線離脱となり、失望のイタリアGPが終わる。チームはこの後すぐに、両ライダーのホームレースでもあるカタルニアGPが連戦で開催されるスペイン・バルセロナ郊外に移動する。リビオ・スッポ チームマネージャー「今週は予選でも苦戦しましたし、決勝ではふたりのライダーが揃って転倒、リタイヤという非常に困難で残念な週末となってしまいました。こんな結果が待ち受けているとは思ってもいませんでしたが、アレックスもジョアンも怪我がなかったことが幸いです。今週、来週と連戦なのでこの悪い流れを断ち切り、新たな気持ちでカタルニアに向かって、すぐに来週末の準備に取り掛かりたいと思っています。カタルニアはふたりのライダーがどちらも好きなサーキットなので、良いパフォーマンスを発揮できるようチーム一丸となって頑張ります。」河内 健 テクニカルマネージャー「我々は自信を持ってムジェロに乗り込みレースウィークをスタートしたのですが、予選で失敗してしまい、その失敗を決勝でも取り戻すことができませんでした。前戦ル・マンに続き2戦連続でふたりのライダーがポイントを獲得できなかったことは受け入れ難い結果ではありますが、今出来ることは決して諦めず、次のカタルニアで挽回できるよう全力を尽くすことだと思っています。引き続き頑張っていきますので応援よろしくお願いします。」アレックス・リンス「順調にポジションを上げることが出来て、フィーリングも良かったので、これからさらにペースを上げていこうとした時に他車と接触して転倒してしまい、悔しいとしか言いようがないよ。接触したことに関して他車のライダーが危険なライディングをしたと思えたからレースディレクションに抗議をしたけどレースアクシデントだと判断されてしまった。転倒した1周前も彼を10コーナーから11コーナーでオーバーテイクしたんだけど、彼がスロットルを開けてブロックしてきて、接触して転倒した周回も同じようにオーバーライン気味でコーナーを周りこみ、自分がイン側にいるのに急にアクセルを戻して接近してきて、結果的に接触してしまったんだ。怪我がなかったから良かったけど、これからという時だったからノーポイントで終わってしまって残念で仕方ないよ。次戦のカタルニアは大好きなサーキットだから楽しくレースできることを願っている。そしたら結果は自ずとついてくると信じているしね。」ジョアン・ミル「今週は自分のMotoGPクラスでのレースキャリアの中で、最悪なレースのひとつだったと言っても過言ではないと思っている。何を試しても的確なフィーリングを得ることができず、不安を抱えたまま決勝を迎えてしまった感じだったからね。過去のこのサーキットのレースではフィーリングも良かったし、高いパフォーマンスを見せることができたから、とても楽しみにしていたレースだったのに、期待とは全く反対の結果になってしまって本当に残念だよ。今日はスリップストリームを使ってコーナーに進入した時のブレーキングがほんの少し遅れたために転倒してしまったんだけど、怪我がなかったことが救いだった。来週のカタルニアGPが始まる前に今週の問題をしっかり分析して、来週末には今週と全く違った結果を得ることができるようチームと共にしっかり準備していくよ。」
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