MotoGP イギリスGP 2日目となる土曜日朝のシルバーストーンサーキットは肌寒く、前日に比べて路面温度が低くコンディションが変わったため、午前のFP3は各ライダーが慎重にピットアウトして、前日のタイムから2~3秒遅いペースでセッションがスタートした。ジョアン・ミルは早々にタイムを上げるがマシンセッティングに苦戦する。しかし果敢にタイムアタックを繰り返し、8番手でセッションを終えてトップ10に留まる。
一方のアレックス・リンスもセッション終盤のタイムアタックで徐々にポジションを上げていくが、ベストタイム更新中のアタックラップで転倒し、残り数分でポジションを落としダイレクトQ2行きのチャンスを逃す。午後のFP4は午前に比べて路面温度が10度上昇。ライダー達にとってタイヤ比較を行う絶好なコンディションとなり、リンス、ミルはどちらもスペックの違うタイヤをテストし、決勝に向けてセットアップを進める。Q1ではQ2進出を賭けたリンスが最初のアタックでタイムシートのトップに躍り出る。2度目のピットアウトではタイムアタック中に黄旗提示となりラップタイムがキャンセルとなるシーンがあったものの、ラストラップでベストタイムを刻み2番手でQ2進出を果たす。Q2ではリンス、ミルが揃ってタイムアタックを繰り返すが、思うようにタイムを上げることができず、セッション終盤になるに従い徐々にポジションダウン。リンス10番手、ミル11番手でセッションを終え、明日のイギリスGP決勝は共に4列目グリッドからスタートとなる。佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター「昨日に引き続き今日もジョアン、アレックス共にレースタイヤでのペースは安定して速く、チームとしてレースを見据えてのマシンセッティングを進めることができました。 二人ともQ2に進出したものの4列目グリッドに留まる結果となってしまい、あらためて予選での一発タイムは我々の課題として受け止めています。いずれにせよ決勝レースに焦点をあてて進めているので、いつものようにスタートを決めてレースに強いスズキをお見せしたいと思っています。」アレックス・リンス「FP3で転倒してしまったせいでダイレクトQ2行きのチャンスを逃してしまい思い通りには進まなかったけど、とにかくQ1からQ2に上がれるように全力でプッシュしたよ。その結果Q2に進んでタイムも上げることができたから今日の結果には満足しているし、マシンのフィーリングが良いから気持ちはかなり前向きだよ。今日はタイヤの比較データも取れたし、あとは決勝に向けてしっかり組み立てをすることが必要だと思っている。後方グリッドからのスタートになってしまったけど、シルバーストーンは大好きなサーキットだから、また2019年に優勝した時のような走りができるように頑張るよ。」ジョアン・ミル「10位前後のグリッドは自分達にとってはそれほど珍しいことはないけど、今日はマシンのフィーリングが良かったから、正直もっと上位に食い込めると思っていた。午前のFP3では無理なくダイレクトにQ2に行くことができたんだけど、午後になってタイヤと制御系にちょっとトラブルが出て、予選までにうまく修正することができなかったんだ。コーナーによって制御がうまく働くところとそうでないところがあって、ベストなセッティングを見つけることができなかったことが問題だったんだけど、システム自体の問題ではないから明日までにはきっちり修正できると思っている。明日の決勝が楽しみだよ。」
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