ポールポジションからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)が圧倒的なスピードで71周を支配し、今季6勝目を飾った。30秒差をつける独走劇でチャンピオンシップの流れを大きく変え、ライバルたちを完全に圧倒した。レースは終盤にカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)のマシントラブルでVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入される波乱の展開となったが、ノリスは冷静にコントロールし、ポール・トゥ・ウィンを達成。気温50℃超の高地メキシコで、タイトル争いにおける圧倒的な存在感を示した。
スタート:ノリスが完璧発進、角田裕毅は中団で粘りフォーメーションラップから集中力を保ったノリスは、長いストレートを制してホールショットを奪取。背後のフェラーリ勢がわずかに接触しかける混乱の中、ノリスは序盤から1秒台のマージンを築き、レースを掌握した。角田裕毅(レッドブル)は9番手スタートから堅実な滑り出しを見せ、終盤のポイント圏内を狙える位置を維持した。序盤:フェルスタッペンとハミルトンが交錯、ハース勢が躍進ターン1〜4ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(フェラーリ)が接触。ハミルトンは芝生を横切り、10秒ペナルティを受ける波乱の展開となった。その混乱を抜け出したのはハースF1チームのオリバー・ベアマン。巧みなスタートで4番手へ浮上し、終盤まで粘りの走りを続けた。中盤:戦略分岐、ノリスが圧倒的ペースで独走マクラーレンはソフトからミディアムへの1ストップを選択。ノリスはピットアウト後もなお20秒以上のリードを保ち、リスクを最小限に抑えた。一方、フェラーリ勢は中盤でのタイヤ劣化に苦しみ、レッドブルのフェルスタッペンがじわじわと追い上げを開始した。終盤:サインツのマシンストップでVSC発動、緊迫の最終周70周目、カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)がスタジアムセクションで停止。レースは一時VSC(バーチャル・セーフティカー)で中断されるが、71周目の最終周で解除。マシンが安全に排除された直後に、再び全車が加速。フェルスタッペンとルクレール、ピアストリとベアマンの間で激しい最終ラップの攻防が展開された。P2争い:ルクレールが堅守、フェルスタッペンは猛追及ばず残り数周、フェルスタッペンはルクレールとの差を2秒台まで縮めたが、フェラーリの老練なタイヤマネジメントの前にわずかに及ばず。最終的にルクレールが2位、フェルスタッペンが3位でチェッカー。表彰台には3チームが揃い、戦略と持久力が試される展開となった。チームバトル:ハース躍進、メルセデスの内部バトルも決着オリバー・ベアマンは堂々の4位フィニッシュでキャリア最高位を更新。メルセデス勢はジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリのポジションを入れ替えながら戦い、最終的に6位と7位でフィニッシュした。アントネッリは安定したペースで終盤のラッセルを抑え込み、チームに貴重なダブル入賞をもたらした。ピアストリの奮闘と中団勢の激戦オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は中盤以降の冷静な判断と大胆なオーバーテイクで5位を獲得。中団ではガブリエル・ボルトレト(ザウバー)が母国前哨戦に弾みをつける10位入賞を果たした。角田裕毅は最後まで粘りの走りを見せたが、ポイント圏にあと一歩届かず11位でレースを終えた。アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)は13位完走、リアム・ローソンは初期のフロア損傷によりリタイアを余儀なくされた。チェッカー後:ノリス、完全勝利でタイトル争いを白熱化71周を走り切ったノリスは、気温50℃・標高2200mという過酷な条件の中で圧倒的な速さを維持。この勝利でチャンピオンシップ争いは1ポイント差以内に接近。マクラーレンの勢いは頂点に達し、次戦ブラジルGPに向けてタイトルレースは最高潮へと突入した。2025年F1メキシコシティGP レース結果1.ランド・ノリス(マクラーレン)2.シャルル・ルクレール(フェラーリ)3.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)4.オリバー・ベアマン(ハース)5.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)6.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)7.ジョージ・ラッセル(メルセデス)8.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)9.エステバン・オコン(ハース)10.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)11.角田裕毅(レッドブル)12.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)13.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)14.ランス・ストロール(アストンマーティン)15.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)16.フランコ・コラピント(アルピーヌ)DNF.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)DNF.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)DNF.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)DNF.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
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