メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、現在供給しているF1エンジンの顧客チーム数を、次の契約サイクルで「最低1つ減らす」意向を示した。2021年以降、メルセデスはマクラーレン、アストンマーティン、ウィリアムズという3つの顧客に加え、自らを含めて計4チームにパワーユニットを提供。グリッドのほぼ半数を占める状況となっている。
2025年限りでアストンマーティンはホンダへとスイッチするが、代わりにアルピーヌがメルセデス製PUを採用するため、来季も供給先は3チームを維持する。しかしヴォルフは、F1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』の中で、メルセス会長オラ・ケレニウスと「供給数削減」を協議していると認めた。ヴォルフ「理想は2〜3チーム。4チーム供給は今後あり得ない」ヴォルフは「次のサイクルでは供給数を減らすつもりだ」と明言し、理想値について「2〜3チームの間だろう」と語った。また、新規則後の開発アプローチとの関連性を示しながら、設計凍結や学習機会のバランスを考慮する必要があると説明した。「新しい規則がどうなるかにもよるが、多くのチームに供給することで得られる学びと、設計を早い段階で固める必要性、その両方を考えないといけない」この文脈でヴォルフは、2026年からアストンマーティンにのみパワーユニットを供給するホンダを例に挙げた。「我々は合計16基のPUを製造する必要があるが、ホンダが供給するのは4〜5基程度だ。これはリードタイム、生産サイクルの長さに直結する。そうした観点からも、今後“4チーム供給”はあり得ない」アルピーヌ加入で再び3チーム供給に それでも“メルセデス優位”の見方強まるアストンマーティンの離脱により一時は供給先が減るかに見えたが、アルピーヌの加入によりメルセデスは引き続き3顧客体制を維持する。アルピーヌは長年続いた“ルノー製PUの自社供給”を終え、OEM(自前エンジンメーカー)としての地位を離れることになる。それでも、パワートレイン分野ではメルセデスが2026年規則に向けて「最有力」との評価を受けており、来年メルボルンでシーズン開幕を迎える際には、同陣営の4チームが注目を集めるのは間違いない。
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