2025年F1イギリスGPに向けて、メルセデスF1がW16マシンに新たな“サンセットビーム・オレンジ”のアクセントを加えた特別カラーを発表した。伝統のシルバー、現代的なブラックに加わった鮮やかなオレンジは、F1世界選手権75周年を迎える節目の年に、メルセデスが「過去・現在・未来」を体現するための象徴となっている。
今回のオレンジの起用は、最近メルセデスAMG本社(アファルターバッハ)でお披露目されたコンセプトカー「CONCEPT AMG GT XX」のデザインからインスピレーションを得たもの。このコンセプトカーは、将来のAMG高性能EV「AMG.EA」量産モデルに直結する先進技術を備えており、そのカラーリングは1960〜70年代の革命的マシン「メルセデスC111」シリーズを想起させる。CONCEPT AMG GT XXF1イギリスGPでは、オレンジのアクセントがW16のノーズやエンジンカバー、ドライバーのレーシングスーツに取り入れられ、ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリの両名は、このカラーをあしらった特別ヘルメットを着用予定だ。メルセデス・ベンツ取締役会メンバーでCTOのマーカス・シェーファーは次のように語る。「この革新的なドライブトレイン技術と未来のパフォーマンスを実現するために、我々のR&Dネットワークのベストな頭脳が集結した。シンデルフィンゲン、ウンターテュルクハイム、アファルターバッハ、英国のYASA、さらにはF1パワーユニット開発拠点ブリクスワースのメルセデスAMG HPPまで、全員の知見がこのプロジェクトに結集されている」また、メルセデスの過去と現在もこの週末に特別な形で表現される。過去を象徴するのは、F1世界選手権に初めて参戦し圧倒的な成績を残した伝説のマシン「W196」。1955年、スターリング・モスがイギリスGPで母国初優勝を飾った際にも使用されたこのマシンは、今週末のシルバーストンでホスピタリティエリアに展示され、ジョージ・ラッセルはかつてモスが勝利を飾ったリバプール・エイントリーでW196をドライブした経験をもつ。さらに、W196の象徴であるタータン模様のシートデザインは、adidasとのコラボによる「Silver Arrowsパック」ファンウェアにも取り入れられ、過去へのオマージュと現代的なデザインが融合する形となっている。現在を象徴するのは、F1技術を取り入れたハイブリッドスーパーカー「Mercedes-AMG ONE」の登場。このマシンもまた、アファルターバッハとブリクスワースの共同開発によって誕生し、F1と市販車の技術の融合を体現している。メルセデスにとって、2025年のイギリスGPは単なるレースではなく、その歴史と技術力を一体となってアピールする格好の舞台となる。シルバーストンのスタンドを彩る“サンセットビーム・オレンジ”は、三つ星の未来へ向けた力強いステートメントだ。
全文を読む