メルセデスF1 「現在の知識があればゼロポッドは機能させられる」

しかし、メルセデスはW12カーで挫折を味わった。その車には野心的なミニマルサイドポッドが搭載されていたが、風洞で期待されたほどの成果は得られなかった。メルセデスは過剰なポルポージングに大きな問題を抱え、チームはダウンフォースとラップタイムを犠牲にして車の車高を上げざるを得なかった。昨シーズン開始時にそのコンセプトを維持したメルセデスだが、第7戦でより伝統的な設計に戻し、最終的にランキング2位となった。それ以来、メルセデスは最新型W15を改良し、現在行われている夏休み前の4レースで3勝を挙げた。メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、放棄されたフィロソフィーは、現在持っている理解があれば成功できたはずだと断言している。「そうだね。もしどのチームも今と同じ知識を持っていて、2021年にタイムスリップして再び挑戦できるとしたらという意味ではね」と、ショブリンはベルギーで語った。「どのチームも相当な学習段階を経てきたため、最速の車を手にしていたでしょう。そういう意味では、サイドポッドを機能させることができたはずだ。」メルセデスが「ゼロポッド」デザインに戻ることはない。しかし、ショブリンは、現在のルートの方がより良い結果を生み出していることを認め、メルセデスが「ゼロポッド」設計への切り替えを再検討する可能性を否定した。「現在の車の設計と同じパフォーマンスを彼らは発揮できただろうか? 恐らくは無理だっただろう」とショブリンは付け加えた。「しかし、サイドポッドは実際にはあの車の最大の原因ではなかった。他にも問題はあった。もし2つの問題を修正することが許されていたなら、おそらくサイドポッドはリストに載っていなかっただろう」「しかし、現在の状況の方が明らかにパフォーマンスの高いソリューションだ」ショブリンは、今シーズンにおけるトップチームの序列の変化は、チームが現在のレギュレーションを完全に把握できていないことを示していると主張している。「そうだね、F1カーは研究の産物であり、すべての研究が正しいとは限らないので、常に試行錯誤の要素がある」とショブリンは付け加えた。「空力特性やタイヤの動き、車両力学の観点で重要な要素について、理論に基づいて考えます。そして、常に、モデルを実際のコース上の車によりよく反映させようと試みる」「だから、試行錯誤の要素は常に存在すると思う。我々の問題は、予想が十分でなかった問題に直面したことだ」「それが大きな課題のひとつだった。しかし、現在のチームのパフォーマンスの推移を見れば、誰もが現行の車についてすべてを理解しているわけではないことは明らかだ」