メルセデスF1は、2022年F1開幕戦バーレーングランプリでのトップスピードの不足を“ウイングをつけすぎた”ためだと説明した。3つのメルセデスF1エンジンのカスタマーチームも、他のエンジンを搭載するチームよりも高いダウンフォースのリアウイングを走らせていたとしているが、それはPUの不足を隠すためのやや苦しい言い訳に聞こえる。
写真で確認した限りでは、メルセデスF1の説明が正しいかどうかは100%確信できない。リアウィングのコンセプトは少し異なり、これらの写真は頭上の位置から撮られたものだが、実際、メルセデスF1とレッドブル・レーシングに大きな違いは実際には見られない。一方、スクーデリア・フェラーリは、視覚的にもダウンフォースをつけていたのが一目瞭然だ。ウイングの外側の部分は、エンドプレートに向かって進むにつれてさらに後退しているが、その最高速度はレッドブル・レーシングほど高くはなかった。だが、それでもスクーデリア・フェラーリはレースに勝った。どちらのウイングのコンセプトがより多くのダウンフォースに発生させるかの結論はまださせない。エンドプレートに向かってこの曲がりくねったウイングの形状は以前ほど単純ではない。いずれにしろ、すべてのF1チームは、各サーキットに必要なダウンフォースレベルを特定するための包括的なシミュレーションシステムを備えている。したがって、メルセデスF1が他の誰よりも多くのダウンフォースを走らせた場合、それは他のエリアで不足しているということになる。メルセデスF1は、今週末のサウジアラビアグランプリにローダウンフォースのリアイングを持ち込んだ。ドラッグの低いウイングは、高速なトラックでは予想されるものだが、メルセデスF1はガーニーフラップを外すという意外な方向性をみせている。これにより、リアは不安定になり、ブレーキングが少し厳しくなる。エッジを切り落とせば、ドラッグを減らるが、リアタイヤの負荷にかなり劇的な影響を与える。影響力を最大化するためにには、多かれ少なかれリアウィングを前方に動かすのが定説だ。トップチームにとって、これらのいずれかがバーレーンからの最高速度の問題に対するベストな解決策だとは信じがたい。メルセデスF1のすべてのパワーユニットユーザーが、特にそのような視覚的に異なる車のコンセプトで、リアウィングのレベルが高すぎるという理由だけで直線速度に苦労するのは偶然の一致だろうか。実際、メルセデスF1はまだ新しいパワーユニットを最大限に活用していないのかもしれない。正確な理由は不明だが、メルセデスF1は今年の変更について、10%エタノールを配分したE10燃料への移行は1.6リッターV6ターボハイブリッド時代で最大のものだと話している。それがいくつかの問題を引き起こした可能性がある。一方、レッドブル・レーシングはホンダの支援を受けてE10燃料への移行を乗り越え、スクーデリア・フェラーリはE10への切り替えによる損失を回復したと述べている。だが、今年のF1レグレーションでも、エンジンが役割を果たすことになっても驚くことではない。信頼性の理由ですでにホモロゲートされているコンポーネントを変更できることを忘れてはならない。マイレージライフサイクルの後半でエンジンのパワーを下げるメーカーも出てくるかもしれにあ。そうすることで、信頼性の変更としてラベル付けされたパフォーマンスの向上を考え出すための時間を増やすことができる。これらのエンジンは、一度サインオフされると、理論的には2025年の終わりまで使用される。
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