メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、“メルセデスに対するバイアス(偏向)”があると考えており、純粋にチームを傷つけるために作り出されたものと“戦っていく”と誓う。2014年にV6ターボハイブリッドが導入されて以来、メルセデスF1が7年連続でタイトルを連破して絶対王者として君臨。フェラーリやレッドブルはその牙城を崩そうといているが、チームにとって最大のライバルはF1のルールブックの責任者だった。
昨シーズンだけを見ても、メルセデスが大成功を収めてきた予選での“パーティ”エンジンモードの禁止、そして、革新的なデバイスであるDASシステムも今季から禁止された。また、2021年に先立って新しい空力規則が導入され、リアのダウンフォースが削減された。この変更はハイレーキ哲学のチームに有利に働いたように見える。メルセデスF1はローレーキのマシンを走らせている数少ないチームの1つだ。メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、これらの変更のいくつかはメルセデスF1の前例のない優位性を崩すことが最大のターゲットとされていると考えている。「メルセデスに対する偏向が見られる分野がある」とトト・ヴォルフは The Race のインタビューで語った。「そして、ここで我々が議論するグループで、それは他チームが引き金となって誰かが我々にペナルティを科すことを望む純粋な偏向か? もしくは、そういったことはスポーツにとって本当に重要なことだろうか?」「我々はバイアスについて知っていたので、それらのいくつかを受け入れさえした。我々はそれを受け入れるという意識的な決断をした」「しかし、我々を傷つけることだけを目的としたチームに対する明確で明白な施策がある。そして、我々は常にそれと戦っている」トト・ヴォルフのその考え方は“我々対彼ら”という図式を生み出したが、彼はチームの最善の利益となる他のエリアでメルセデスに代わって介入している。具体的には、トト・ヴォルフとメルセデスは2020年のリバースグリッドの提案を阻止し、ホンダのF1パワーユニットの継続を望んだレッドブルが2022年のF1エンジンの開発と同意に性能調整を導入するというアイデアにも潰した。だが、トト・ヴォルフは、F1グリッドでどちらのチームを担当しても、その両方に反対票を投じていだろうと語る。「ウィリアムズを担当していたとしても、パフォーマンス調整とリバースグリッドに反対票を投じただろう」とトト・ヴォルフは主張する。「ギフトを贈るつもりはない。これは最高の男が勝つ可能性がある公正な競争であるべきだと思っている。常に最高の男であり、最高のマシンが勝つべきであり、他のすべてはスポーツとスポーツの価値を希薄化させるにすぎない」「確かに我々はエンターテインメントを生み出している。だが、我々の観客はこれが本物の競争であることを知っていおり、エンターテインメントはそこにある。より多くの変動性を生むために操作するべきではない。そして、我々はこれらの価値観に忠実であり続ける必要があると信じている」