ロス・ブラウンは、2013年末にメルセデスを去ったのは、ニキ・ラウダとトト・ヴォルフのことを信用できなかったからだと明かした。ロス・ブラウンは、2010年にタイトルを獲得した自身のチームであるブラウンGPがメルセデスに買収された後もチーム代表としてチームに残り、その後4シーズンにわたって競争力を取り戻すために指揮をとった。また、ルイス・ハミルトンをマクラーレンから引き抜く際にも重要な役割を果たしている。
しかし、ロス・ブラウンは、2013年末でその役割を退いた。ロス・ブラウンは、離脱を決断したのは、当時チームのマネジメントに加えられた非常勤会長のニキ・ラウダとトト・ヴォルフとの関係が理由だったと告白した。 「メルセデスでは信用できない人々を次々と押しつけられるという状況にあった」とロス・ブラウンは11月3日に新たに発売される著書『Total Competition』で述べた。「彼らが何をしようとしているのか私には最後まで理解できなかった。ニキが私に何かを言っても、他では違うことを言っていると耳に入ってくるような状況だった」 また、ロス・ブラウンは、トト・ヴォルフと元F1チーム代表コリン・コレスとの間に持ち上がった脅迫スキャンダルについて振り返っている。トト・ヴォルフは、コリン・コレスに対してロス・ブラウンを中傷するような言葉を発していたことが後に明らかになっている。「彼は私が金の上にあぐらをかいていると言った。私が大金を手に入れ、もはやチームへの興味を失い、モチベーションもなく、何もしないと言ったそうだ。チームには新しい推進力が必要と言っていた。彼はまだチームに来たばかりで上層部の注目が嬉しかったのだろう」 「私が理解する限りでは、上層部はコレスに『何らかの理由があってこのチームは機能していない。君は賢いビジネスマンだ。ウィリアムズのことをよく知っている。チームに行って何がおかしいのかをわれわれに教えてくれないか?』と言ったようだ。おそらく彼を相手に報告の内面的なリハーサルでもしていたのだろう」 「つまり、最終的に私は信頼できると感じられない人々と仕事をしなければならなくなっていた。すでに彼らのアプローチが私を落胆させていたチーム内の人々とね」 また、2013年にパディ・ロウが技術部門の代表として雇用されたことも関係をさらに悪化させることになったという。 「そして、2013年の初め、パディ・ロウの加入が決まったことを知った。シュツットガルトで契約が交わされていた。トトとニキに問いただしたら、彼らは互いに責任を押しつけ合った。私は徹底的に話し合おうと思って2人に会った。そうしたら、彼らはお互いを指さしていたよ・・・」