メルセデスAMGがW03のリアウイングに採用する、DRSと連動して起動するFダクトの通気孔の画像が撮影された。リアイングのエンドプレートの内側に設けられたこの穴は、DRSが起動していないときは覆われているが、フラップが開いたときに姿を現す。この穴が開いたとき、空気はエンドプレートの内部を通って空洞となっているメインプレートに供給され、ウイングのセンターセクションから放出され、直線スピードを向上させるためにウイングをストールさせるとされている。
しかし、ライバルチームは、この穴が例えばディフューザーやさらにはフロントウイングといった他のエリアに空気を供給しているのではないかと目を光らせている。注目が集まるなか、メルセデスAMGのチーム代表ロス・ブラウンは、このFダクトコンセプトはそれほど重要なデバイスではないと主張している。「我々はマシンに面白いシステムを組んでいるが、まったく複雑ではない。他チームはそれを調べていると思うが、彼らはそれが価値あるものかどうか決める必要があるだろう」とロス・ブラウンは述べ、2009年にライバルチームが抗議したダブルディフューザーと同じくらい不可欠かもしれないとの見方を否定した。「ここ数年マシンで走らせていたディフューザーコンセプトやエキゾーストコンセプトほど重要なものではない。もちろん役には立つ。そのために採用しているが、大きなパフォーマンスゲインではない」メルセデスAMGは、Wダクトと呼ばれるフロントウイングに採用しているとされるFダクトでも注目を集めている。ロス・ブラウンは、メルセデスAMGの積極的なデザインコンセプトを擁護し、技術革新はF1の血だと主張した。「私にとってのF1の魔法はドライバーだけでなく、テクノロジー、エンジニアリング、イノベーション、ストーリーなので、それがウェブサイトやメディアを満たしているのは、F1にとって素晴らしいことだと言える」関連:FIA、メルセデスAMGのFダクト方式のリアウイングを合法と認定