マクラーレンのF1チーム代表を務めるアンドレア・ステラは、ハンガリーGPでランド・ノリスがオスカー・ピアストリより前に出るように仕向けたとの見方を否定した。マクラーレンの2台は日曜日のオープニングスティントで2番手と3番手を走行し、1周目にルイス・ハミルトンを抜いたピアストリがノリスの前を走行していた。
しかし、ノリスが先にピットインし、次にピアストリがタイヤ交換のためにボックスに入った後、チームメイトよりも先にターン1に進入した。しかし、ステラはチームが意図的にノリスを先行させたとの見方を否定し、メルセデスによるアンダーカットの可能性から守るためにこの作戦が展開されたと主張した「最初のピットストップでのアンダーカットに関しては、リスクの高いほうのマシンでカバーし、もう1台のマシンでカバーするというのが自然な流れだ。ランドのアウトラップはまさにスーパークイックだったので、オスカーはポジションを失った」とステラは説明した。実際、ノリスがアウトトラックは1分40秒5、ピアストリのアウトラップは1分42秒5と2秒の差があった。ちなみにさらに順位を落としたルイス・ハミルトンは1分44秒6であり、トップを独走していたマックス・フェルスタッペンは1分42秒0で周回している。「正直なところ、この状況に対する我々のアプローチは、まずチームのことを考え、チームとして考え、それから内部の状況に対処するというものだ」「チーム外の競争相手と戦っているときは、チーム内の争いに巻き込まれてチームを犠牲にしないよう、細心の注意を払う必要がある」「昨年のレースを見ればわかると思うが、おそらくそれがレッドカー(フェラーリ)で起こっていたことであり、非常に高価だった。我々はそれを避けたいと思っている」ノリスが2番手をキープしてチェッカーフラッグを受けたのに対し、ピアストリは第1スティント以降もスピードに苦しみ、ハミルトンとレッドブルのセルジオ・ペレスにオーバーテイクされた。しかしステラは、ピアストリがレース中のある段階でダメージを負い、それがリアタイヤのデグラデーション増加やペース急低下につながっていることを認めた。「第2スティントではランドのペースが少し上がったが、公平を期すため、オスカーがマシンにダメージがあったことは言及しておかなければならない。パフォーマンスの観点からはコンマ数秒を失ったことを意味し、リアのダウンフォースが原因でリアタイヤに余分な劣化が生じた。それがランドに追いつくのに苦労しただけでなく、後ろから他のクルマにも苦労した理由の一つだ」とステラは明かした。冬にマクラーレンの指揮官に就任したステラによると、ピアストリはダメージについて知らされていたものの、言い訳を避けるためにグランプリ中に視聴者にそれを認めなかったという。しかし、ノリスも終盤にハミルトンよりもタイヤのデグラデーションが激しくなっていたことから、ステラはマクラーレンがこのレースを、今後のラウンドでラバーをより最適に管理する方法を理解するために生かさなければならないと主張する。「我々は彼(ピアストリ)に伝えたと考えている。ピットウォールで忙しかったので、言うべきだと思ったことと、言うべきことを混同していたのかもしれない。公平を期して言えば、オスカーは言い訳を探さない男だから、彼が言及しなかったとしても驚かない」「しかし、それはそこにあり、ダメージは実際に縁石でワイドに走ったときに発生したと考えているが、必ずしも、ペレスとの戦い中で彼がワイドに走ったときにのみ発生したものではなく、マシンへのこのダメージは両方のタイミングで発生した可能性がある。同時にタイヤの使用状況や、スティントを通しての全体的なデグラデーションという点で、スティントの最初にプッシュしたことでどれほどの代償を払ったのかにも注目する必要がある」「ハミルトンのアプローチを見てみると、彼はスタート時はとてもとてもゆっくりしているが、スティントの終わりにはプレミアムが戻ってくる」「コックピットの中からでは、スティント序盤のラップがスティント終盤にどのような影響を及ぼすかを理解するのは常に難しい。それがオスカーの状況だと思う」