マクラーレンF1チームのスポーティングディレクターだったエリック・ブーリエは、最初からマクラーレン・ホンダのプロジェクトが失敗することは最初の会議の時点からわかっていたと語る。マクラーレンは、2015年にホンダをエンジンパートナーとしてF1復帰に導いたが、初年度からホンダのF1エンジンはライバルに対して信頼性とパフォーマンスで大きな遅れをとっていた。
「すでに最初の会議からホンダはこれから直面する物凄いチャレンジに対していかに準備ができていないかを悟った」とエリック・ブーリエはコメント。「私はすぐにロン・デニスにトップに返り咲くためには少なくとも3~4年は必要だろうと伝えた。だが、契約はすでに施率しており、デニスは過去の成功を追体験できると確信していた」3年後、マクラーレンはホンダのF1エンジンを捨てて、ルノーのカスタマーパワーユニットに切り替えた。「現在のエンジンは非常に洗練されている。長年の開発に基づいて競争を凌駕する準備ができていたのはメルセデスだけだった」「マクラーレンとホンダの連合は、歴史的にも技術的に非常に複雑な時期に成果を挙げることができなかった」エリック・ブーリエは、マクラーレンの2018年型シャシーが一定の水準に達していなかったことで、ルノーのF1エンジンに切り替えたことでマクラーレンの苦悩はさらに悪化することになったと語る。「我々は4月にクルマが完全に失敗していたことを理解していた」とエリック・ブーリエは語る。「データの相関関係に重大な問題があることが判明し、手遅れだと分かるまで解決策を見つけることもできなかった。いくつかの点で2017年よりも戦闘力が低下していたし、それによって士気のレベルに対処するのが困難だった」エリック・ブーリエは、その責任を負う形で2018年シーズン途中にスポーティングディレクターを更迭され、マクラーレンを去っている。ホンダは、その後トロロッソとの1年間を経て、今年からレッドブル・レーシングにもパートナーシップを拡大。ホンダは2017年にコンセプトを一新したF1エンジンがより完成に近いパッケージに仕上がっており、開幕戦オーストラリアGPではこれまでどちらかと言えば苦手としていたアルバート・パークで3位表彰台を獲得している。エリック・ブーリエは、ホンダのF1エンジンが競争力を増していることは驚きではないと語る。「マクラーレン・ホンダの協力は単純にあまりに早すぎた。その点でレッドブルとホンダの協力は我々とのものよりも優れていると思う」