マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、最近のマネジメント体制の再編とホンダとのパートナーシップ解消とはまったく関係のないことだと語る。マクラーレンは過去3年間の問題の根源はホンダのF1パワーユニットだと公然と批判してきたが、ルノーに変更した今年も引き続き苦戦を強いられていることで長年のファンからも非難されている。
今年、マクラーレンは4月にテクニカルディレクターのティム・ゴス、F1イギリスGP直前にレーシングディレクターのエリック・ブーリエが辞任。いずれも事実上の更迭とみられている。だが、ザク・ブラウンは、マネジメント体制の再編は、ホンダとのパートナーシップがどのように管理されていたかについての社内的な考察から生じたものではないと主張する。「いいや、我々はホンダとの関係についてまったく議論はしてなかった」とザク・ブラウンは主張。「我々は現在の我々自身に目を向けている。我々が犯したミスを認識し、それらのミスから学び、それを再現しないことを確実にしようとしている」「だが、我々は『こうすることができた、こうすべきだった、違ったことができたのではないか?』などと後ろを振り返ってはいない」今後、エリック・ブーリエが担ってきた役割は、新設されたスポーティングディレクターに任命されたジル・ド・フェラン、パフォーマンスディレクターに昇格したアンドレア・ステラ、そして、COOであるサイモン・ロバーツの3人によって分担していく。ザク・ブラウンは、これまでのマネジメント体制では委員会にあまりに頼りすぎており、個人に重要な決定をする十分な裁量が与えられていなかったことで意思決定プロセスに“渋滞”が起きていたとし、今後は外部からの新たな採用を含めたより多くの変化が行われると示唆した。「この組織は、私が望んでいるような特定の個人が起業家精神にあふれた仕事をすることを許していない。十分に迅速な意思月定ができていないと思う」とザク・ブラウンはコメント。「委員会によって決定することが適切なときもあれば、個人によって決定すべきときもある。時には我々の決定プロセスとそのスピードは決定に渋滞を引き起こしていた。それを変える必要があるし、我々の最大の問題は構造と組織にあると思っている」「現在の環境では開花できなかった素晴らしい才能を解放させる必要がある。それに組織をより迅速に形成することに寄与する他の経験を有する人材を外部からも集めていく」「F1チームを率いる私の仕事は、最終的にそのペースを組織に取り入れ、方向性を示し、適切なリーダーシップを発揮し、全員がマクラーレンの本来の姿と認識していると思う位置に戻すことだ」