マクラーレンは、2019年に計画していたインディカーのフル参戦を白紙化したと報じられている。マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、2019年からのインディカー参戦を見据えて関係各所と調整に入っていたが、危機的なパフォーマンスの改善とマネジメント体制の再建が急務となり、インディカー計画はその犠牲になったようだ。
Auto Motor und Sport によると、チームの株主であるマンスール・オジェとバーレーンの王室からインディカー参戦契約に待ったがかかったという。それでも、ザク・ブラウンは、フェルナンド・アロンソが世界3大レースでの“3冠”を達成するために来年インディ500に再挑戦する可能性はあると語る。「フェルナンドが来年に何をするかに関してはいくつかの選択肢がある」とザク・ブラウンはコメント。「彼は本気で3冠を達成したいと考えているし、我々も彼に一緒にそれを成し遂げたい。今のところ、我々は来年の議論はしていなが、あらゆることが可能だ」マクラーレンは、ホームレースとなるF1イギリスGPの2日前にレーシングディレクターを務めたエリック・ブーリエの辞任を発表。今後エリック・ブーリエが担ってきた役割は、新設されたスポーティングディレクターに任命されたジル・ド・フェラン、パフォーマンスディレクターに昇格したアンドレア・ステラ、そして、COOであるサイモン・ロバーツの3人によって分担することになった。2度のCARTチャンピオンであるジル・ド・フェランは、2017年にフェルナンド・アロンソがインディ500に挑戦した際に彼をサポートした人物であり、アンドレア・ステラは、フェラーリ時代からアロンソのレースエンジニアを務めていることから、今回の人事はフェルナンド・アロンソが陰で操っているのではないかとの憶測が広まっている。ザク・ブラウンでさえ、エリック・ブーリエの辞任の決定にフェルナンド・アロンソが関わったことを示唆していた。しかし、フェルナンド・アロンソは「僕は相談されていないし、知らされただけだ」とコメント。「ストフェルも知らされた。もちろん、ザクはアンドレアとジルについて僕の意見を知りたがっていたけど、僕は彼らの決定を完全に尊重している」しかし、ザク・ブラウンは、マクラーレンが勝利するにはまだ“何年もかかる”だろうと認める。「このようなことを修正するにはしばらく時間がかかる。まだ何年も先だろう。それが2年かかるのか、10年かかるのか、その中間になるかは私には分からない。それまでのどこかという可能性が高いのだろうが、ここで予想を始めたくはない」とザク・ブラウンはコメント。「我々は現実的になり、我々自身、ファン、そして、メディアに対しても、これが長い行程になることを率直に認めなければならない。全員がそれを認める必要があると思う」