マクラーレンは、F1イギリスGPに改良版ジャッキを導入。F1ヨーロッパGPで起こったようなピットストップ時のトラブルは再発しないと自信をみせている。F1ヨーロッパGPでは、ルイス・ハミルトンの2回目のピットストップ時にフロントジャッキが故障し、ピットアウトまで14秒以上かかった。マクラーレンのスポーティングディレクターを務めるサム・マイケルは、修正するために設計を変更しており、改良ジャッキは予想通りの機能を果たすと自信を持っている。
「故障の原因を特定し、シルバーストンに向けて設計を変更した」とサム・マイケルはコメント。「2日(月)にそのジャッキシステムを使って800回のピットストップ練習を行ったが、新しい設計は一度も故障しなかった」「レース週末ではプラクティスを含めて50回ほどのピットストップを行っているので、実質的に月曜日は16回分のグランプリ週末を過ごしたことになる」「問題を解決できたと確信している。少なくともシルバーストン用の新設計の適正評価はできた。仮にまた故障したとしても、できる限りのことはしたといえる。それがエンジニアリングというものだ」マクラーレンは、昨年以来、交通信号システム、回転ジャッキ、ホイールナットなど数多くの装置や手続きを変更したが、今シーズン、ピットストップで度重なるトラブルに苦しんでいる。サム・マイケルは、新技術に障害はつきものだが、最終的にはピットストップを改善できると考えている。実際、マクラーレンはF1ヨーロッパGPで静止時間2.6秒という記録を樹立し、ピットレーンで費やした全体の時間は、フェラーリよりも0.4秒速かった。「はっきりさせておきたいだけだが、我々の目標は一貫性であり、静止時間で最速を目指しているわけではない。平均で最速タイムを達成したい」とサム・マイケルはコメント。「内部の目標は、レース中のすべてのピットストップで一貫して3秒以内のストップを達成することだ。我々のゴールは常に一貫性であり、我々が追加した技術はスピードを上げるためではなく、一貫性を高めるためのものだった」「同時にスピードも向上したが、それは我々の焦点ではない。今年、マクラーレンは技術と人員の強化に取り組み、短期間で異なるパーツを多く導入した」「だが、研究開発の本質として、どうしても間違いが起きてしまうことがある。まさにバレンシアではフロントジャッキの故障という形でそれが起きてしまった。メカニカル的な故障であり、オペレーターとは無関係のものだ。我々よりも先にこのようなアイテムを導入した他のチームを見ても、同様の苦労を乗り越えてきているし、今もそれを続けているチームはいる」
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