レーシングブルズのリアム・ローソンが、再びチーム上層部の信頼を失いつつある。メキシコGPでは予選15番手に沈み、同じルーキーのアイザック・ハジャーがQ3進出を果たす対照的な結果に。さらに、レッドブルのヘルムート・マルコはローソンの“無線での言い訳癖”を問題視しているとされ、2026年シート獲得への道が一層険しくなりそうだ。
レースエンジニアを悩ませる“無線での言い訳”ローソンは今季の初フル参戦シーズンを通して、予選で「当たり外れ」の大きいパフォーマンスを見せている。メキシコでは15番手に沈んだが、ハジャーはQ3まで進出し、明暗を分けた。最大の課題は、結果が振るわなかった際に繰り返される“言い訳”の数々だ。メキシコGP予選では「グリップがゼロだ!」と嘆き、直前のアメリカGPではタイム抹消を告げられると「はぁ?車がコースの真ん中にいたせいかよ!」と強い口調で反発。ピットウォールのエンジニアから言葉遣いを注意される場面もあった。7月のイギリスGPでもQ1敗退後に「ターン4の出口で全くグリップがなかった」と述べるなど、似たような言葉が繰り返されている。マルコが懸念する“感情コントロール”レッドブルの育成責任者ヘルムート・マルコは、若手ドライバーの感情的な発言を以前から問題視しており、冷静さと分析力を重視している。昨年、ハジャーがモナコでクラッシュした際にも「感情のコントロールが足りない」と指摘しており、ローソンにも同様の懸念を抱いているとみられる。マルコはかつて「F1ドライバーは感情的になって当然だが、プロとしてどう扱うかが重要だ」と語っており、冷静な対応を取れるドライバーこそ信頼を得ると強調していた。チーム内比較で浮き彫りになる差現時点での成績を比較すると、ローソンはほぼすべての主要指標でハジャーに後れを取っている。■ チームメイト比較(2025年)・ポイント:ハジャー39/ローソン30・決勝ポイント圏内:8回/5回・ベストリザルト:3位/6位・リタイア:1回/3回これにより、ローソンの評価は確実に下がっており、ジュニアプログラムの次期候補であるアービッド・リンドブラッドの存在も彼の立場を脅かしている。分析:冷静さを欠いた無線対応が命取りにローソンの速さそのものは疑いようがない。だが、レースエンジニアとの信頼関係を築けなければ、いかに才能があっても昇格は難しい。レッドブル首脳陣にとって、感情的なラジオ発言は“プロフェッショナリズムの欠如”として受け止められる危険がある。一方で、ハジャーは若手ながらも落ち着いた態度を保ち、結果で信頼を勝ち取っている。ローソンが冷静さを取り戻せるかどうか――それが、2026年もF1に残れるかを決める分水嶺となる。
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