佐藤公哉が、レース2で優勝を成し遂げたAUTO GP第6大会ニュルブルクリンクのレース週末を振り返った佐藤公哉にとってニュルブルクリンクは、F3ユーロやドイツF3時代に走り込んでおり得意としているサーキット。未勝利に終わっただけでなく今季初のリタイアを喫した前大会、ライバルに選手権順位で同点首位と並ばれた佐藤公哉ですが、再び単独首位へと返り咲くだけの成績が本大会では期待された。
全15台が参加する予選(30分間)は8月16日の午後3時45分に始まった。予選セッション前半では新品のミディアムタイヤを履き、1分19秒628のタイムで暫定的に予選5番手を確保。しかし、セッション後半では新品のソフトタイヤを履いたものの、1分19秒183と思うようにタイムを伸ばせず予選6番手に留まった。午前の練習走行で半ばにコース上でエンジンストールし、残り15分を走れなかった影響が出た。17日(土)の午後4時25分から実施された決勝レース1(23周)、佐藤公哉は滑りやすい路面からのスタートだったが6番手のまま序盤を戦い始める。4周目にはペースの上がらない5番手のセルジオ・カンパーナに急接近、ライバルのミスに乗じて何度も仕掛けるが、相手の手段を選ばない必死の防戦に手を焼いた。お互いにピットストップを済ませたあとも、ふたりはたびたび接触しながらの順位争いを繰り広げましたが、結果的には常に冷静なレース運びを見せた佐藤公哉に軍配が揚がった。もっとも、4番手へ浮上した13周終了時点でトップ3は遥か前方へ逃げており、残念ながら表彰台には届かなかった。それでも4位となったことで、佐藤公哉は再びシリーズチャンピオンシップタイトル争いで単独首位に立った。18日(日)の午前8時45分から実施された決勝レース2(23周)、決勝レース1の結果に基づく上位8台のリバースグリッドで佐藤公哉は5番グリッドを得た。鋭いスタートで第1コーナーへ3番手で進入した佐藤公哉は、5周目には2番手へ上がって優勝を射程圏内に収めた。6周目にピットストップを済ませると、佐藤公哉はカンパーナやギレッリと三つ巴の接近戦を繰り広げる。そこにピットストップを終えてコースに戻ったラ・ロッカが加わり、接近戦がさらに激しくなった瞬間を佐藤公哉は見逃さず、ラ・ロッカとカンパーナが競り合っているスキを突き、この団子状態からひと足早く抜け出した。14周目に首位のライバルを抜き去りひとり旅となった佐藤公哉は、ファステストラップを更新しながら残る周回を走り抜いて今季4勝目を飾った。第6大会終了時点でのシリーズチャンピオンシップポイントは、1位が佐藤公哉で170点、2位カンパナで158点、3位ギレッリで155点、4位カーティケヤンで130点となっており、ドライバーズタイトル争いはこの4人にほぼ絞られた。佐藤公哉「クルマの初期調整は理想とする水準にはありませんでしたが、練習走行でいろいろな部分を少しずつ修正するとそのたびにタイムも上がりました。しかし、ライバルに比べるとクルマの速さが少し足りませんでした。そうした状態で練習走行のセッション半ばに少し攻めたところ退避路へ飛び出し、クルマの向きを変えてコースへ復帰しようとしたところ、自分のミスでエンジンが止まりました。練習走行の後半もきちんと走って、クルマの戦闘力をより高めて予選を迎えられなかったのは痛かったですね。予選の前半は新品のミディアムタイヤ、予選の後半には新品のソフトタイヤを投入しました。ここでの僕らの誤算は、新品タイヤを入れても中古タイヤからの伸び代が予想より小さかったことです。6番手という予選結果は、非常に不満の残るものでした」「このサーキット今回はとくにショートコースでの開催なので、スタートやピットストップでしか前のクルマを抜くチャンスがありません。決勝レース1ではその数少ないチャンスに賭けようと思って臨みましたが、スタートは良くもなく悪くもなく6番手のままでした。レース序盤は前を走るクルマ2台のペースが遅く、そのうち1台のドライバーは無謀なブロックや無謀な突っ込みをしてくるので僕も抜きあぐねました。ピットストップ後も彼との競り合いになり、僕が前に出ているにもかかわらず幅寄せしてくるなどかなり危険な走りでした。それでもどうにか抜ききって4位を確保できましたが、無駄な競り合いを強いられて失った時間は大きく、表彰台に立てなかったのはとても残念ですしとても後味の悪いレースでした」「決勝レース2のスタートは僕が良かったというよりも、周りが失敗したという感じでした。6周終了時点の早めのピットストップは事前に立てていた複数の作戦のひとつで、先行するクルマの遅いペースに付き合ってタイムロスするのは避けようという意図です。レース中盤の首位争いの段階では、ピットストップを終えたクルマがコースへ戻ってきたタイミングに恵まれたことと、ライバルの2台が熱くなって無駄な争いをしてくれたので助かりました。僕は通常の走行ラインを走り、前を走る2台をまとめて料理できました。首位に立ってからは、ラップタイムペースを揃えることに注意を払いながら、後ろをぶっちぎって優勝してやろうと思って最後まで攻めの走りを心掛けました。この第6大会、予選の段階ではこれほど良い結果で終われるとは思ってもいませんでした。2レースともライバルに優勝を持って行かれてもおかしくなかったにもかかわらず、そのうちの1レースで僕が勝利を手にできたのは、今後のタイトル争いを考えても非常に大きいタイトル争いを考えても非常に大きいと思います」
全文を読む