F1イタリアGP金曜のチーム代表会見には、フレデリック・バスール(フェラーリ)、ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)、小松礼雄(ハースF1チーム)が出席した。議題は多岐にわたり、ルイス・ハミルトンのペナルティや角田裕毅の去就に加え、100%持続可能燃料の導入、パワーユニットの未来、2026年の規則変更がF1に与える影響まで、長期的なテーマに踏み込む内容となった。
各代表は、自身のチーム状況やF1全体が直面する技術的・運営的課題について率直に回答した。とくに持続可能燃料やPU開発は、コストと性能のバランスをめぐって重要な論点となり、2026年に向けてチーム運営への影響をどう捉えるかが語られた。Q:フェラーリにとって今週は浮き沈みのある展開でした。FP1の結果を見て、現時点でのチームの雰囲気はどうですか?フレデリック・バスール:「正直に言うと、雰囲気はポジティブだ。たとえ先週のザントフォールトで厳しい週末を過ごしたとしても――少なくとも金曜日は厳しかった――週末の中で巻き返すことができた。レース自体はダブルリタイアで終わったから、獲得ポイントはゼロだったが、少なくともポジティブな雰囲気と前向きなアプローチを持ち帰ることができた。週末の中で回復できたという実感があったからだ。もうひとつの利点は、モンツァまであまり待たずに済むことだ。つまり月曜の朝にはすでにモンツァに入っていたということだ。全体として雰囲気はとても良いし、月曜の朝から工場前に集まってくれたティフォシからポジティブな後押しを受けていて、これは大きなエネルギーになる」Q:FP1の結果について教えてください。最高のスタートを切りましたが、この先の週末も上位にとどまれる自信はありますか?バスール:「シーズンやこれまでの経験から言えるのは、FP1の結果から結論を導き出すべきではないということだ――そう願っている。先週はFP1で最下位だったからね。つまり、予選の終わりまで、ましてやレースの終わりまでにはまだまだ道のりが長い。自分たちに集中し続け、マシンとドライビングを改善し、持っているものから最大限を引き出すことに注力しなければならない。だからFP1の結果だけで結論を出すことは絶対にしない」Q:シーズン後半はレースに勝ちたいと今週語っていましたが、どのようなサーキットでチャンスがあると考えていますか?バスール:「誰もがブダペストで我々がポールポジションを獲れるとは思っていなかった――私自身もね。接戦であることは分かっている。ポールを争えるチームは4つ、多いときにはそれ以上ある。確かにマクラーレンは一歩先を行っているが、誰もが常に安定しているわけではない。彼らが一歩後退する日があるかもしれない。その日に我々がそこにいることが重要だ。だから、このサーキットだとかあのサーキットだとは言いたくない。我々はどこでも力を発揮し、持っているものから最大限を引き出さなければならない」Q:最後の質問です。チームは1975年のニキ・ラウダ初タイトルを祝っています。あなたにとってニキはどんな存在でしたか?バスール:「ニキは多面的な人物だった。1975年、77年、そして84年にタイトルを獲ったとき、私はまだ若く、彼のファンだった。その後、私がDTMに関わっていたとき、さらにF1に入ってからも、彼と一緒に仕事をする大きなチャンスに恵まれた。これは特権だったと思う。彼はドライバーとしても、チーム代表としても、ビジネスマンとしても、あらゆる立場で成果を上げられる人物だった。まさに象徴的な存在だ」Q:ローラン、昨年のモンツァはレッドブルにとって簡単なレースではありませんでした。今年はもっと良い結果を期待できそうですか?ローラン・メキース:「我々は通常、FP1の後に過剰な自信を持つことはない。確かに昨年はおそらくシーズンで最も難しいレースのひとつだった。我々が期待していなかった問題に直面し、パフォーマンスを発揮できなかった。誰もそんなレースは好まないが、そのような経験こそが成長につながるし、理解を深める最良の方法だ。今年は、昨年の課題をどれだけ克服できているかを確認する重要な週末だ。FP1を終えただけの現時点ではまだ答えは出せないが、昨年の出来事は我々の頭の中にしっかり残っている」Q:セッション後にマックスは何と言っていましたか? 今年のクルマはこのタイプのサーキットに合っていると感じているのでしょうか?メキース:「彼は今年のマシン特性と大きな違いを感じていない。ここでは低いダウンフォースレベルで走っているが、それでも今季ずっと扱ってきたのと同じ特性、同じ制約を再び感じていた。ただし、昨年のような追加的な問題に直面しているかというと、今のところその兆候はない。ただし、まだFP1を終えたばかりの段階であり、判断するには早すぎる」Q:新しい役職に就いてから2か月ほど経ちました。この間、どこに重点を置いてきたのか、学んだことはありますか?メキース:「本当に重要なのは、チームや会社を理解するには時間がかかるということを過小評価してはいけないということだ。1、2か月で分かるものではない。だから、我々がスパで話した通り、できるだけ多くの人と会い、理解を深めようとしてきた。6週間が経ち、少しずつ状況は良くなっている。毎日少しずつチームの仕組みが分かるようになり、毎日新しい人と出会い、組織やフローの理解が深まっている。今はチームと一緒に、次に解き明かすべき課題を整理しているところだ。最初の段階は観察のみだったが、今はチームと共に“何を解き明かす必要があるか”という地図を作り始めている」Q:レッドブル・レーシングのチーム代表の仕事は、以前のRBでの仕事とどう違いますか?メキース:「数か月前、ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズの代表としても同じようなことを答えたと思うが、究極のパフォーマンスを追求するためには、どれほど極限まで突き詰めなければならないかを見誤りやすい。クルマのあらゆる部分、会社のあらゆる部分を徹底的に突き詰めて、その最後のわずかなラップタイムを絞り出そうとしている。それは投資効率としては低い――多大な労力に対して得られるのはわずかな改善だ。しかし、それこそがトップチームというものだ。週末ごとに答えは単純で、勝ったかどうかだけだ。我々はザントフォールトで2位を獲得したが、それはラッキーというより、実際にはランドが不運に見舞われたから得られた結果だった。だから月曜の朝に自分に問うことはただひとつ、“我々には何が欠けていたのか?”...
全文を読む