モンツァで行われた2025年F1イタリアGP予選は、わずか1秒以内に20台がひしめく超接戦となった。序盤からスリップストリームをめぐる駆け引きや、タイヤ選択の違いが明暗を分け、各セッションで波乱が相次いだ。最終的にレッドブルのマックス・フェルスタッペンがコースレコードを更新してポールポジションを獲得。マクラーレン勢が2番手と3番手に続き、角田裕毅は10番手タイムを記録したが、ルイス・ハミルトンのグリッド降格により決勝を9番手からスタートすることとなった。
Q1:混戦の幕開け、アルピーヌとレーシングブルズが沈む予選開始直後から全車が入り乱れ、スリップストリームの奪い合いが繰り広げられた。ウィリアムズのカルロス・サインツは序盤のラップをトラックリミット違反で削除されるなど、緊張感のある展開。残り10分、マクラーレン勢がようやくアタックを開始し、ランド・ノリスが1分19秒611でトップ、オスカー・ピアストリが0.1秒差で続いた。だが全20台が0.9秒以内にひしめき合い、誰も安全圏ではない状態。残り5分、アルピーヌとハースは新品ソフトを投入。エステバン・オコンの無線では「誰が新品タイヤだ?」と状況確認の声も。終盤のアタックでアストンマーティンのランス・ストロールもタイムを伸ばせず、結局アルピーヌ勢のピエール・ガスリーとフランコ・コラピント、レーシングブルズのアイザック・ハジャーとリアム・ローソン、さらにストロールが敗退。角田裕毅は1分19秒619で4番手に入り、上位で突破した。Q2:ノリスが土壇場で逆転、サインツとアルボンが失速Q2序盤はマックス・フェルスタッペンが中古タイヤでトップ、後ろにジョージ・ラッセルとピアストリが続く展開。ウィリアムズ勢はサインツとアレクサンダー・アルボンが先にコースインし、サインツは1分20秒239を記録したが、アルボンは最終セクターで失速し大きく遅れた。残り7分、ノリスは単独走行となり無線で「トウがない」と不利な状況を訴えた。さらにピットに呼び戻される場面もあり、マクラーレンは戦略に苦慮。残り3分、順位はフェルスタッペン、ラッセル、ピアストリの順。ルイス・ハミルトンは一時ドロップゾーンに落ちたが、8番手で持ち直す。アルボンは14番手に留まり、突破の望みを絶たれた。最後にノリスが角田の前を走るピアストリのトウを受けながら5番手に飛び込み、オリバー・ベアマンを押し出す形でQ3進出。結果、ベアマン、ニコ・ヒュルケンベルグ、サインツ、アルボン、オコンが敗退した。角田裕毅は1分19秒433で10番手に踏みとどまり、Q3進出を果たした。Q3:フェルスタッペン圧巻のラップでポール決勝進出組10台による最終決戦。開始直後、ルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリや角田らが中古ソフトで様子を見た一方、フェルスタッペンは新品C5を投入。ファーストアタックで1分18秒923を刻み、地元のティフォシを沈黙させた。シャルル・ルクレールはフェラーリの声援を背に一時トップに立ったが、その直後にフェルスタッペンが再びタイムを更新。観客席からは大きなため息が漏れた。残り3分、マクラーレン勢は連携を駆使しながら最後のアタックに挑戦。ノリスが1分18秒869でフェルスタッペンに0.077秒差まで迫ったが、ポールには届かず。ピアストリもミスを抱えながら1分18秒982で3番手に並び、マクラーレンは2-3番手を獲得。ルクレールは4番手、ハミルトンが5番手、ラッセルは6番手。ハミルトンは黄旗無視による5グリッド降格があるため、実際にはさらに後方スタートとなる。角田裕毅は1分19秒519で10番手に留まったが、ハミルトンの降格によって決勝は9番グリッドからスタートする。