インディカーがF1と同じサーキット・オブ・アメリカズ(COTA)で開催されたことで、F1とインディカーの直接比較が可能になり、F1マシンとINDYCARマシンの大きなタイム差が浮き彫りになった。2012年からF1を開催しているテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで“インディカー・クラシック”と題されてインディカー・シリーズが初開催された。
土曜日の予選ではウィル・パワー(ペンスキー)が1分46秒0117でキャリア56回目のポールポジションを獲得した。昨年のF1アメリカGPでは、メルセデスのルイス・ハミルトンが、同じ構成、ドライコンディションで1分32秒237をマークしており、両マシンには13秒の差がついた。1周あたり13秒の差は、F1マシンとINDYCARマシンが同じレースを走った場合、インディカーの全車が7~8周の周回遅れになる計算となる。F1アメリカGPの予選で最下位だったストフェル・バンドーン(マクラーレン)も1分35秒735を記録しており、インディカーの最速タイムに5秒以上の差をつけている。このラップタイムの大きな差は、F1とインディカーの大きな予算の差の結果とも言える。インディカーのチームは年間2500万ドル~4000万ドル(約27億円~44億円)で運営されているが、メルセデスやフェラーリ、レッドブルといったトップタイムは約5億ドル(約549億円)を費やしており、1チームの予算でインディカー全体のグリッドをカバーできる計算になる。言い換えれば、F1とインディカーのパフォーマンス差は、1周1秒あたり3500万ドル(約38億円)に相当する。