ニコ・ヒュルケンベルグにとって、2026年F1バルセロナ・カタルーニャGPは信じがたい形で終わった。アウディのヒュルケンベルグは入賞圏内を走行していたが、リアム・ローソンが巻き上げた小石がマシンの緊急停止装置を作動させるという前代未聞のトラブルに見舞われ、リタイアを余儀なくされた。レース後に明らかになった原因は、通常では考えにくい偶発的なアクシデントだった。ヒュルケンベルグ自身も「こんなことは聞いたことがない」と驚きを隠せなかった。
ローソンが巻き上げた小石が緊急停止装置を作動ヒュルケンベルグはポイント圏内でレーシングブルズのリアム・ローソンを追走していた。その際、ローソンがターン12出口でコース外のグラベルにタイヤを落とし、大量の小石を巻き上げた。その中の1つがヒュルケンベルグのマシン左側ロールフープ付近にある緊急停止用のプルコードに直撃。結果としてエンジンキルスイッチが作動し、パワーユニットが停止してしまった。ヒュルケンベルグは次のように説明した。「ローソンがターン12出口でタイヤをグラベルに落として大量の小石を巻き上げた。そして、その小石のひとつがロールフープ左側にある緊急停止装置のトリガーを引いてしまい、マシンが停止したんだ」マシンは惰性でピットまで戻ることはできたものの、再始動は不可能だったため、そのままレース終了となった。ヒュルケンベルグも困惑「キャリアで聞いたことがない」この珍事についてヒュルケンベルグは困惑した様子で語った。「正直なところ、自分のキャリアの中でこんな話は見たことも聞いたこともなかった」「本当に不運だったし、奇妙だった。しかもレース終盤には上位を走っていた2台がリタイアしたことを考えると、なおさらだ」「レースの神様は、まだ僕たちにポイントを与えたくないみたいだ」終盤にはアンドレア・キミ・アントネッリとフェルナンド・アロンソが相次いでリタイアしており、ヒュルケンベルグが走り続けていれば入賞の可能性は十分にあっただけに、悔やまれる結果となった。ローソンも驚き「そんなことが起きるなんて」一方、当事者となったローソンはレース中、自身がヒュルケンベルグのリタイアに関与したことを知らなかった。レース後に事情を聞かされると、ローソンは驚きを隠せなかった。「本当に? まさか」「それは本当に不運だね。もちろん僕は全く知らなかったし、もしそんなことを狙ってできるなら大したものだけど……」「本当に知らなかった。彼がリタイアしたことだけは知っていたけどね」ローソンは9位でフィニッシュして貴重な2ポイントを獲得。一方のアウディはヒュルケンベルグがリタイアし、ガブリエル・ボルトレトもポイント圏外に終わったことで、またしても得点機会を逃すことになった。【関連】・F1バルセロナ・カタルーニャGP 決勝 結果・タイムシート