36年ぶりに開催のF1オランダGP、フェルスタッペンの母国GPがスタート1985年以来36年ぶりにザントフォールト・サーキットで開幕したF1オランダGPの初日、赤旗中断の影響で走行時間が限られたものの、ホンダF1パワーユニット勢は好調な走りを見せて周回を重ねた。同国出身のマックス・フェルスタッペンの応援団が多く詰めかけ、サーキットはオレンジ一色に。熱狂的な声援の中でのセッションとなった。
FP1は、開始約20分に差し掛かるところで、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)のマシンがパワーユニットのトラブルでコース上にストップ。セッションは赤旗中断となったが、マシン撤去の際にFIAのネットワークトラブルも重なって中断が長引き、残り6分での再開となった。走行再開後にアタックラップを走れたフェルスタッペンは、このセッションで2番手タイムをマーク。ピエール・ガスリーが10番手に入り、コース上の混雑によってクリーンラップが取れなかったセルジオ・ペレスは16番手となった。角田裕毅は3周を走行したものの、PUにマイナートラブルの修復に時間を要し、タイムを記録せずにこのセッションを終えた。FP2も、序盤でルイス・ハミルトン(メルセデス)がコース上にマシンを止めて赤旗中断となる。さらに、再開後もターン11でニキータ・マゼピン(ハース)がスピンしてグラベル上にストップ。このマシン回収のために再び中断となる。フェルスタッペンは新品ソフトタイヤでアタックラップに入っており、全体ベストのペースで走行していたものの、この赤旗によってアタックを中断。再開後は新品タイヤでのアタックができず、5番手となった。しかし、レッドブル・レーシング・ホンダ、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダともに連続走行でのペースはよく、ガスリーが7番手、ペレスは12番手につけた。角田はFP1で失った走行時間を取り戻すべく精力的に周回を重ね、30周を走行してペレスから0.15秒差の13番手となった。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「初走行となぅた今日のオランダGP初日は、FP1、FP2ともにトラブルやコースアウトによって赤旗中断が発生するなど、走行時間を削られることとなりました。そのような状況でしたが、最低限のメニューは消化して貴重なデータを得ることができています。FP1でスクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田選手のPUに不具合が発生し、その修復に時間を要してしまいましたが、FP2で問題なく走行できることを確認しました。FP1とFP2で色々と試したセッティングの結果とその実走データを元に、それぞれのチームとHondaのエンジニアは、比較解析の作業を行います。他チームもセットアップを詰め、パフォーマンスを上げてくることと思いますので、我々も負けないように最適化を進めて、大きな声援をくれるファンに応えられればと思います」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)「今日はいい一日になりましたし、オレンジに染まったスタンドのファンが楽しんでいる姿を見られたことは本当によかったです。このサーキットは高速コーナーが多く、ドライビングも楽しいので、ようやくここでレースができたこともうれしく思っています。僕のパフォーマンスについては、ベストタイムがユーズドタイヤによるものだったので、今日のラップタイムが実力を示しているとは思っていません。別のラップでもっといいタイムを出していましたが、マゼピン選手のスピンがあって途中でやめてしまったので、それがなければもう少しポジションは上だったと思います。まだ金曜日なので、ここから詳細を詰めていき、明日に向けて改善点を確認していきます。今日はロングランペースはよかったのですが、ここではスターティンググリッドが重要になるので、今夜の作業でさらなるステップアップを図り、明日の予選は全力でプッシュしたいと思います」ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ) 今日は本当に楽しい一日でした。コースは素晴らしく、とてもユニークで、特にターン3はバンクによってまるで犬ぞりで滑走しているようでした。セッションは赤旗による中断が多かったので、プログラムをすべて消化するのは難しかったのですが、大体のことはできています。まだ望んでいたほどの状態にはなっていないと思うので、明日に向けてもう少しパフォーマンスを上げられるように、今晩取り組んでいきますし、達成できる自信はあります。明日はQ1でのトラフィックが課題になるはずで、上手く混乱を避けられるように臨む必要があります。レースに向けては、オーバーテイクが非常に難しいと思うので、いいスタート位置を手にすることが重要です」セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)「こうした昔ながらのサーキットをドライブするのは素晴らしい気分でした。普段のコースとは大きく異なり、右コーナーが多く連続しているレイアウトはとても独特で、フィジカル面でもチャレンジになります。このコースでの経験はなく、全く初めてなので、赤旗による中断が多かったことでリズムに乗るのが難しかったです。マシンを信頼して攻めていくためには、自身を持ってセッションに入っていく必要がありますが、まだ完璧に快適とは言い難い状態で、いくつか見直す部分があり、パッケージの力を最大に引き出すためにどうするか判断しなければなりません。グランドスタンドに多くのファンが詰めかけて楽しんでいる光景は素晴らしかったので、それがレースウイークを通じて向上していくエネルギーになってくれればと思います」角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「午前はいくつか空力コンポーネントをテストしましたが、PUにちょっとした問題が発生して、調査のために走行を切り上げざるを得ませんでした。走行できなかった時間は他のマシンのオンボード映像をたくさん見て、午後のセッションまでにできるだけ多くを学ぶようにしました。FP2では初めてプッシュしたラップができましたが、ここはランオフエリアが狭いので、最初は気負わずに入りました。最終的にはかなり満足のいくラップができるようになり、まだ今夜取り組むべき課題はあるものの、マシンには自信が持てています。チームにとってもこうしたデータは重要なので、明日の予選に向けた準備も整うはずです。レースでのオーバーテイクは難しくなるので、予選がとても大事になると思います。明日は全力を尽くしたいです」
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