ホンダのF1エンジンを搭載するレッドブルとトロロッソは、両チームともにF1アブダビGPのFP2をトップ10で終え、幸先のいい初日となった。アブダビで2019年シリーズの最終戦を迎えたF1世界選手権。レースウイーク最初のセッションとなるFP1は午後1時からスタート。日没後に行われる予定の予選と決勝路面コンディションが大きく異なる状況で走行開始となった。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンはセッションを通して好調を見せ、2番手と4番手をマーク。トロロッソのダニール・クビアトとピエール・ガスリーも着実に周回を重ね、15番手と16番手でセッションを終えた。セッション途中ではルノーのダニエル・リカルドがエンジントラブルにより、オイル漏れが発生。背後にいたガスリーにもオイルがかかってしまうというアクシデントもあったが、ガスリー自身やマシンに大きな影響はなかった。予選と決勝と同時刻に開催されるために重要となるFP2では、4台のマシンはさらに力強さを発揮した。わずか0.551秒差でマックス・フェルスタッペンが5番手をマークすると、続いてアレクサンダー・アルボンが6番手をマーク。トロロッソの2台はダニール・クビアトが7番手からわずか0.05秒の9番手となり、ピエール・ガスリーはその後ろの10番手をマークし初日のセッションをいい形で終えることとなった。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のアブダビGP初日は、PU観点ではスムーズな一日になりました。予選と決勝に近いコンディションのFP2では、4台ともにトップ10入りと悪くない結果でしたが、明日に向けてはPU、車体ともにまだまだセットアップを煮詰めていく余地があると感じています。ここからFP2で得られたデータをもとに分析を進め、明日の予選に向けた準備を進めます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「総合的には手堅い結果を出せた初日になりました。マシンのバランスに満足かといえば、まだ改善できる部分はあると感じていますが、総合的には満足しています。メルセデスがここではまた速さを見せていて、彼らを上回るのは難しいかもしれませんが、明日の予選は互角に戦えるのではないかと思っています。今夜タイヤのデータ解析をする予定ですが、今日の走行では特に予想外のことはありませんでした。ソフトタイヤは1周は速さを保つことができますが、ロングランでは想定通りの距離でパフォーマンスが落ちていきました」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「難しいサーキットではありますが、今日は手ごたえを感じることもでき、あと一歩のところまできていると思います。タイヤを(適正な温度で)機能させるのが難しいですし、コース上にダストが溜まりやすいので、多くのマシンがスピンしていました。マシンのバランスは悪くはないですが改善できる点はまだあると思います。マックス(フェルスタッペン)が速さを見せていたので、明日どのような結果になるか楽しみです。僕のマシンは特にセクター3でのパフォーマンス向上のためにもう少しチューニングが必要ですが、少しずつ改善できていると思います。フェラーリが予選ではきっと速さを見せると思いますが、僕たちも予選でどこまでいけるか楽しみです」ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)「FP1では赤旗中断や僕の2回目の走行がほかのマシンにブロックされたりと、少し荒れた展開で周回数も少なく、あまり理想的なセッションにはなりませんでした。それでも、計画していたいくつかのメニューを消化できたことはよかったと思っています。FP2では2台のマシンでいろいろなことを試し、明日の予選に向けてベストなセットアップを検討するためのデータが取れたので、より充実したセッションになりました。ロングランのペースはよかったですし、ショートランについてもさらに改善できると思っているので、今日はいい午後になりました。トップ10圏内で1日を終えられたので、ポジティブな気持ちで明日に臨むことができます」ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)「今日は生産的な一日になりました。FP1は(気温や路面温度など)決勝レースとのコンディションが違うのでそこまで大切ではないのですが、それでもいくつかの部分は参考になりましたし、マシンの挙動も確認することができました。FP2は決勝と同様のコンディションなので、重要性が上がりますが、そこで多くの周回を走行でき、充実したセッションになりました。明日さらに改善するためにどこを修正すればいいのか、今晩の分析で明らかになると思います。マシンにはいい手ごたえを感じていますが、ここで作業を止めていいというわけではないですし、週末を通してコンディションは変化していくので、それらにきちんと対応していく必要があります」
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