ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、F1パワーユニットの最大値を引き出すモードは「エンジンモード11 ポジション7」であることを明らかにした。ホンダF1にとって13年ぶりの勝利となったF1オーストリアGPのレース終盤、エンジニアはマックス・フェルスタッペンに「エンジンモード11、ポジション5」と無線で伝え、“優勝を狙いにいく”という決意を示した。
レース後の記者会見でホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は「パフォーマンスを上げるモードを伝えました」と語っている。「レース週末前からチーム側から『行けるところまで行きたい』と言われていました。我々も『行けるところまで行くよ』と話をしていました。レース中にエンジンの状況を確認しながら『もっと行ける』と我々のほうから伝えました」「冷却という点ではギリギリでした。もちろん、高温のせいで我々もパワーユニットをセーブすることを余儀なくされました。できるだけ多くのパワーを引き出せるようトライしていました」ホンダF1の広報担当も「『エンジンモード11 ポジション5』という無線がTVでも流れたようですが、彼らは常にレースとパワーユニットの状態、チーム戦略などを注視しながら、その都度最適なエンジンモードを選択し、ドライバーに出来る限りのパフォーマンスを提供しています」と説明する。「その彼らが信頼性とパフォーマンスを天秤にかけ、どこまでリスクをとるかといった部分は、田辺さんやSakuraにいるエンジニアの決断が関わってきます。そしてそれ以前の大前提として、ファクトリー側から十分な信頼性とパフォーマンスが保証されたPUが提供される必要があります。その意味で、今回はこれまでHonda F1に関わってきた人たち全員で勝ち取った勝利だと思っています」しかし、山本雅史は、実際には『エンジンモード11 ポジション5』は最大値ではないことを明かした。「多くの人々が、『エンジンモード11 ポジション5』がエンジンから絞り出せる最大値であると仮定していました。オーストリアでの勝利の後、それが翌日の話題になりました」と山本雅史は GPTODAY.net にコメント。「ですが、それはまだ我々の最大モードではありません。残り5周でマックス・フェルスタッペンによって『エンジンモード11 ポジション7』が使用され、勝利に繋がりました」今週、トロロッソ・ホンダに降格することが決定したピエール・ガスリーは、レース後に「エンジンモード11はまだ走らせたことがない」と明かしている。
全文を読む