2019年のF1世界選手権 第9戦 オーストリアGPで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝を果たし、ホンダにとっては2006年以来、2015年のF1復帰後初優勝となった。2番グリッドからスタートしたフェルスタッペンだったが、スタートでチームメートのピエール・ガスリーの前方となる7番手まで順位を落とす。そこから追い上げを見せ、ランド・ノリス(マクラーレン)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)を早々にオーバーテイク。5番手までポジションを戻した。
ミディアムタイヤでスタートしたマックス・フェルスタッペンは、第1スティントを長く走る戦略を採り、31周目にピットインしてハードタイヤに交換。4番手となってコースへ復帰し、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の前方に出た。ここから、前を行くセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)をとらえるべく、猛チャージをかける。マックス・フェルスタッペンは、見事なバトルを見せ、前方の3台をコース上で次々とオーバーテイク。残り3周で首位に躍り出ると、チェッカーまでリードを保ち、ホンダにとってはF1復帰後初、さらにレッドブルとの提携後の初優勝を果たした。ピエール・ガスリーは、ソフトタイヤでのスタートとなり、レース前半の25周目にピットイン。この戦略では、なかなかポジションを上げられない状態が続く。ライコネンの前には出られたものの、2台のマクラーレンに挟まれた状態でペースを上げられず、7位でフィニッシュ。6ポイントを獲得した。レースは出走した全20台が完走し、トロロッソ・ホンダの2台は中団の混戦の中で苦戦を強いられる。アレクサンダー・アルボンは、ミディアムタイヤでスタートし、35周目にタイヤ交換を行うと、その後はチェッカーまでランス・ストロール(レーシングポイント)の追い上げに費やし、15位となった。ダニール・クビアトは、ダウンフォースを増したマシンセットアップだったにもかかわらず、前日の予選でアタックを妨害されて後方からのスタートとなったことが影響し、苦しいレースとなった。アルボンと似たような戦略で32周目にピットインしてハードタイヤに交換しましたが、17位でのフィニッシュとなった。トロロッソ勢は、前戦でクビアトが、今回アルボンがスペック3のPUを投入したことで、それぞれグリッドペナルティーを受けて厳しい戦いとなった。2週間後のイギリスGPでは、ペナルティーなしでのレースになるため、中団での戦いで優位に立つべく準備を進めていく。八郷隆弘 (本田技研工業株式会社 代表取締役社長)― 勝利を支えて下さった皆様に感謝を「ついにF1での優勝を果たすことができました。2015年の復帰以降の道のりを考えると、大変感慨深く、また心からの喜びを感じています。まず、勝利を勝ち取ったマックス・フェルスタッペン選手とAston Martin Red Bull Racingに感謝いたします。また、これまでHondaのF1プロジェクトに対し多大なるサポートを頂いた各ドライバーやScudeiria Toro Rossoは言うまでもなく、サプライヤー様や関係者の皆様も含め、支えてくださったすべての方々に、御礼を申し上げます。」― 夢に向かって、これからもファンの皆様とともに「そして、どんなときも熱い応援を送ってくださるファンの皆様へ、心からの感謝をお伝えしたいです。皆様の応援は、夢に向かって走る私たちを力強く後押ししてくれるエネルギーです。これからも皆様とともに挑戦し、喜びを共有したい、そう考えています。」― 走り続けることでしか、叶えられないことがある「HondaにとってF1は創業者の夢であり、大切なDNAの一つです。この5年間、開発やレースの現場では、数多くの困難に直面してきました。自分たちの力を信じ、諦めずに走り続けてきた従業員たちの努力がこうして実を結んだことを考えると、万感の想いです。私たちHondaの”The Power of Dreams”を一つ、体現することができました。今日の勝利を第一歩として、最終目標であるシリーズチャンピオンを目指し、私たちはさらに一丸となってチャレンジを続けていきます。これからも引き続きご声援のほど、よろしくお願いいたします」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「まず最初に、昼夜を問わず懸命にPU開発を続けてくれた、HRD-Sakura、HRD-MKの仲間たち、そしてそれを支えてくれた家族に、『やったよ!ありがとう!』と伝えたいです。今日の力強い走りで我々に優勝をもたらしてくれたフェルスタッペン選手、素晴らしいマシンを作ってくれたAston Martin Red Bull Racing、そしてここまで一緒に一歩ずつ前進を続けてきたRed Bull Toro Ross Hondaの仲間たちにも感謝の言葉を送ります。これまで色々と応援、サポートいただいたHondaの同僚、サプライヤーの皆様にも御礼申し上げます。そしてなにより、ここまでどんなときでも温かく応援していただいた世界中のHondaファンの皆様、本当にありがとうございました!今日の優勝により、2015年の復帰以来、ようやく本当の意味での一歩を踏み出すことができました。まだまだここから、さらに戦闘力を上げて戦っていきます」マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)「最高のレースができましたし、チームに2度目のホームGP優勝を届けられてうれしいです。スタートではアンチストールを作動させてしまい、7番手までポジションを落とすという残念な形になりました。ただ、そこからのペースは本当によくて、冷静になるよう努めながらプッシュし続けました。第2スティントでは、マシンが素晴らしい力を発揮し、これが勝利の決め手になりました。そうは見えなかったと思いますが、バルテリをパスしてから、かなり力強いペースがあるので勝てるかもしれないと思うようになりました。とにかくプッシュして全力で走り、決してあきらめませんでした。残り数周でシャルルをパスしたときは、最高にハッピーな気分でした。かなりの接近戦になりましたが、もしあのようなバトルができないのなら、家にいた方がましだと思います。Aston Martin Red Bull Racingのみんなに大きな感謝を伝えたいです。どんな週末でもみんな本当によくやってくれましたし、アップグレードもうまく機能したと思います。ここにいるクルーやファクトリーのスタッフ、そしてもちろんHondaのみんなにも感謝しています。彼らにとっては、ここまでの間、簡単な道のりではなかったと思います。彼らのためにも、今日勝利できたことは本当に最高だったと思います」ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)「今日は厳しく、難しいレースでした。第1スティントではソフト...