ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、新たなF1シーズン開幕を前に、サーキットの外でも強いメッセージを発信している。2026年F1シーズンはレギュレーション刷新と急速なテクノロジー進化が交錯する転換期。そのなかで7度のワールドチャンピオンは「適応し、進化し、そして何よりも好奇心を持ち続けること」が重要だと語った。
1年前、ハミルトンはメルセデスでの輝かしいキャリアに終止符を打ち、フェラーリへ移籍した。現代F1史においても屈指の大胆な決断だった。フェラーリでの初年度は、多くが期待した“おとぎ話”のようなシーズンにはならなかった。しかし41歳のハミルトンは、それを「成長のマスタークラス」と位置づけている。「1年前、僕はスクーデリア・フェラーリHPで新たな章を始めた」とハミルトンは書き込んだ。「それは大きな飛躍だったし、多くの学びを伴うものだった。F1でチームを変える場合でも、自分のキャリアで方向転換する場合でも、学ぶ意欲こそが最大の武器になる」「この環境での移行は、ハイレベルな協働や適応力といったスキルを磨き直し、新たなスキルを素早く身につけてギャップを埋めることを意味する」AI時代へ踏み出すハミルトンの視点ハミルトンの姿勢は、人工知能企業パープレキシティAIとの提携とも重なる。同社は「より良い問いを立てる力」を軸に成長してきた企業だ。オーストラリアでの開幕戦を前に、ハミルトンはラップタイムや表彰台以上のことを考えている。「オーストラリアでの開幕戦に向かう今、僕たち全員にとって“仕事”の風景がどれほど変わっているかを考えている」とハミルトンは述べた。「テクノロジーとAIは僕たちの業界を再構築している。それはスピードが速く感じられるかもしれないが、同時に未来に備える大きなチャンスでもある」「リーダーシップは、変化にどれだけ早く適応し、進化する意志を持てるかにかかっている。僕は最初の1年でそれを実践した。学ぶ機会を見つけ、それを掴んだ」「僕のアドバイスは? 好奇心を持ち続けることだ。従来のルートだけに固執しないこと。人間らしさを高めるスキルと、自分を速くするツールの両方に投資すること。自分の道は自分で創るものだ。このシーズンを忘れられないものにしよう。アンダーモ」サーキットの外にも広がる影響力2026年F1シーズンは、新レギュレーションによって勢力図が再び揺れ動く可能性がある。バーレーンでのプレシーズンテストでは、フェラーリに乗るハミルトンの復調気配も示唆された。だが彼のメッセージは、マシンバランスや戦略の話にとどまらない。AIが産業構造を変え、キャリアの在り方が一夜にして揺らぐ時代において、ハミルトンは「適応こそが究極のパフォーマンス向上策」だと説く。メルボルンでヘルメットを被り、エンジンが咆哮する。その瞬間、彼は再びグリッドに立つ。しかし今季のハミルトンの影響力は、トラックの外にも広がっていく可能性がある。彼にとって最新の“馬力”とは、好奇心なのかもしれない。