ルイス・ハミルトンは、F1ハンガリーGPの決勝レースで、メルセデスから、チームメイトでタイトル争いのライバルであるニコ・ロズベルグを先に行かせるように命じられたことに“かなりショックを受けた”と述べた。予選でのマシン炎上によりピットレーンからのスタートとなり、ウェットでのオープニングラップではコースオフを喫したルイス・ハミルトンだが、レース序盤の2度のセーフティカーに助けられ、2ストップ戦略をうまく生かして3位表彰台でフィニッシュした。
一方、ポールポジションからスタートしたものの、1回目のセーフティカーで順位を落としたニコ・ロズベルグは、3ストップ戦略を採っており、レースの残り3分の1でルイス・ハミルトンを捕らえた際には、まだソフトタイヤに交換するためにもう一度ピットインする必要があった。無線でニコ・ロズベルグを先に行かせるように伝えられたルイス・ハミルトンは「彼を先に行かせるつもりはない。オーバーテイクのために十分に近づけば、抜けるはずだ」と答え、ニコ・ロズベルグが最後のピットストップに入るまで8周にわたってロズベルグを抑えた。ニコ・ロズベルグはレース終了間際にルイス・ハミルトンを捕えたが、追い抜くことはできず、チャンピオンシップの差を11ポイントまで縮められた。「もちろん、僕は彼と同じレースにいたと認識している。彼の方が僕よりも1回ピットストップが多いからといって、同じレースにいないというわけではない」「彼を先に行かせたら、引き離されて、僕が後ろになる可能性だってある」「チームからそう要求されたことにはかなりショックを受けた」「彼は僕をオーバーテイクするために十分に近づけなかった。僕はリフトオフするつもりはなかったし、フェルナンド(アロンソ)やダニエル(リカルド)から遅れをとりたくなかった。ちょっと奇妙だったね」