スクーデリア・フェラーリは水曜日に、SF-25に長らく待たれていた新型リアサスペンションを装着し、ムジェロ・サーキットでのフィルミングデーに臨むと報じられている。スクーデリアは、新しい設計がマシンのライドハイト問題を解決する鍵になることを期待している。フェラーリはF1 2025シーズンを通じてSF-25のライドハイト問題に苦しんでおり、ルイス・ハミルトンは日本で「僕らが望むより高い位置で走らせている」と明かした。
それは中国GPでスキッドプランクの摩耗が規定値を超えたことで失格になったためであり、その影響でマシンを高くせざるを得なくなったことがパフォーマンスの妨げとなっていた。「彼らのマシンは、空力性能に関してライドハイトに非常に敏感なのかもしれません」と元アストンマーティンのストラテジストであるバーニー・コリンズはSky F1で述べた。「この世代のマシンはすべてグラウンドエフェクトカーなので全体的に敏感ですが、彼らのマシンはその中でも特に敏感なのかもしれません。」彼女は続けて「空力プラットフォームがピーキーすぎるのかもしれません」と語った。新リアサスペンション導入の背景最近では、テッド・クラヴィッツがオーストリアGPでフェラーリの両ドライバーにリフト・アンド・コーストの指示が出たことを取り上げていた。「彼らがそうしている理由は、ライドハイトの問題にある。つまり、燃料を多く積んだ状態では、マシンを望んだ高さまで下げられないからだ」とクラヴィッツは述べた。「だからドライバーにリフト・アンド・コーストを求める。それによってクルマが少し持ち上がり、コーナーにスムーズに入っていけるようになるのだ。」「これはタイヤの摩耗でも、燃料節約でも、ブレーキの冷却でもない。そういった類の話ではなくて、我々が信じているところでは、ライドハイトやフロア、スキッドプランクを守るための措置なんだ。彼らは中国GPでこの問題が原因で失格になったが、それ以降マシンの様子が以前とは変わってしまった。」シーズン後半に向けて、フェラーリはこのライドハイト問題の解決策として新しいリアサスペンションを投入する予定だ。モータースポーツ・ドットコムによると、ベンチテストはすでに実施されており、好意的な結果が得られているという。さらに、レッドブル・リンクで導入された新しいフロアと合わせて「最大で0.1秒のパフォーマンス向上が期待できる」とされている。フィルミングデーにおける実走条件フェラーリは水曜日に新サスペンションの理解を深めることになる。ハミルトンとシャルル・ルクレールがムジェロ・サーキットを走行予定であり、フェラーリは1日あたり200kmまでの走行が許可されているため、両ドライバーで走行距離を分け合うことになる。FIAの「TCCプロモーションイベント(PE)」規定では、まず最初に「プロモーションイベント(PE)は、コンペティターが純粋にマーケティングまたはプロモーション目的で参加するイベントと定義される」とされている。残りの規則は以下の通り:■ PEは200kmを超えてはならず、1チームにつき1日1回までとする。■ PE中のマシンには技術規則第8.3条で定められたFIA ECUを装着しなければならない。■ 指定されたタイヤサプライヤーがこの目的のために特別に製造したタイヤのみを使用できる。■ 各コンペティターは第10.1条で定義されたマシン(現行マシン)を使用した2回のPEを行うことができ、それらはTCCとしてはカウントされない。最後の項目は現行マシンに関するものである。フェラーリのドライバーたちは、全長5.245kmのムジェロ・サーキットを合わせて38周までしか走行できない。ベルギーGP投入の可能性と今後の開発方針もしマシンが期待通りの性能を発揮すれば、フェラーリはベルギーGPでこの新リアサスペンションを実戦投入する見込みだ。この新リアサスペンションは、フェラーリが2025年型マシンの開発において最後のブレイクスルーと位置づけており、その後は2026年の新レギュレーション対応マシンの開発へと軸足を移すことになる。マクラーレンの後塵を拝する中で、フェラーリはコンストラクターズランキング2位の座をメルセデスから死守しようとしており、その差はわずか12ポイントである。