スクーデリア・フェラーリは、F1エミリア・ロマーニャGPの日曜日に巻き返しを見せ、土曜日の不振から一転して2台ともポイント圏内でのフィニッシュを果たした。ルイス・ハミルトンは12番グリッドから見事な追い上げで4位に入り、シャルル・ルクレールも6位に入賞。しかし、予選では2台そろってQ2敗退を喫しており、フレデリック・バスール代表はチームの課題を明確に認識している。
中国GPのスプリント予選でハミルトンが記録したポールポジションを除けば、今季のスクーデリア・フェラーリは一貫して1ラップのスピードに苦しんでいる。ルクレールの予選最高位は3番手、ハミルトンに至ってはグランプリ予選での最高は5番手にとどまる。イモラでのレースでは両者ともに順位を上げる展開となったが、今週末の舞台となるモナコで同様の走りを再現するのは困難だ。モナコ市街地コースではオーバーテイクが非常に難しいため、土曜日の結果が決定的な意味を持つ。「問題は明確だ。予選で遅すぎた。11番手と12番手からのスタートでは週末が厳しくなる。ただ、レースでは良い回復ができた。戦略は非常に良く、実行も申し分なく、ピットストップも完璧だった」とバスールはエミリア・ロマーニャGP後に語った。フェラーリのファンにとっては、ハミルトンのハードタイヤによるロングスティントと4位フィニッシュが大きな見せ場となった。一方のルクレールはミディアムタイヤでスタートし、レース中盤には2台が隊列を組む形になったが、マイアミGPで見られたようなチームオーダーを巡る混乱はなかった。終盤にはルクレールがアレックス・アルボンと接近戦を展開。アルボンはより新しいタイヤを履いていたため有利だったが、オーバーテイクを試みた際にグラベルに飛び出すシーンが発生。ルクレールは十分なスペースを与えたと主張したが、スチュワードによる裁定が懸念されたため、チームはルクレールにポジションを譲るよう指示した。「5秒のペナルティを受ければ、ルクレールは10位か11位に転落していた。我々としては裁定がペナルティ寄りになると感じたので、そのリスクを避けた」とバスールは説明。「驚いたのは、思った以上にオーバーテイクがあったことだ。ほぼ1コーナーしかチャンスがない中では、すべてをそこに懸けるようなレースになる」予選の不振の背景には、プラクティス中から続いていたブレーキの問題がある。バスールはスクーデリア・フェラーリの現状を冷静に見つめている。「我々が最速のマシンを持っているとは思っていない。レースで好調なときでも、マクラーレンより速くはない。我々は近づいてはいるが、まだ足りない。ここ3〜4戦を見ると、レースでのペースは良くても予選では結果が出ていない」「正直に言えばフラストレーションもある。この部分に全力で取り組む必要がある。次はモナコだが、土曜の予選が終わった時点で結果の大半が決まるコースだ」「だからこそ、土曜日にもっと速くならなければならない。モナコではタイヤマネジメントの性質も少し異なるが、予選でしっかり結果を出す必要がある」
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