フェラーリのエンジン責任者という立場を追われたルカ・マルモリーニは、元所属チームを激しく批判した。トヨタに在籍していたことでも知られるルカ・マルモリーニだが、そのキャリアは20年以上前のフェラーリにまで逆上る。しかし、V6パワーユニットのパワー不足の責任をとった形で、数週間前にルカ・マルモリーニはフェラーリの新チーム代表のマルコ・マティアッチによって解雇を言い渡された。
ルカ・マルモリーニは、自身の離脱について“必要のない議論”にもかかわる意図はないと述べた。「残念ながら、マラネロには口を閉じるべき批判好きの人々がいる。なので、私は一連の挑発に対する応答として口を開く」とルカ・マルモリーニは述べた。ルカ・マルモリーニは“F14 Tの諸悪の根源がパワーユニットの過失”だとする考えを最も強く非難した。「フェラーリのような歴史を持つ企業がエンジンの作り方を忘れてしまったかのようだ! 私はいかなる批判も受け入れるが、マラネロにはターボやハイブリッドのビジネスを知らない人々がいると私に話すのはやめてもらいたい」「誤解を解いておけば、同僚たちと私は、メルセデスやルノーより小さいサイズのエンジンを作った。なぜなら、それがマシンのプロジェクトマネジャーであるトンバジスが要請したことだったからだ」「彼は小さなラジエーターを持った非常にコンパクトなパワーユニットを望んでいた。減少するパワーは、空力ソリューションで補われ、メルセデスやルノーのマシンに対するアドバンテージを我々に与えてくれるはずだった。まさにそのようではあったが、競争の中でパワー不足が判明しながらも空力による埋め合わせがないことがわかった」 また、ルカ・マルモリーニは、マルコ・マッティアッチとは「3カ月間で2回しか会ったことがない。最初は挨拶で、次は私の退社が決まったという文書を渡されたときだ」と述べた。「よく聞いてほしい。私は誰をも責めたくはない。本当だ。だが、フェラーリはレース部門を経験のない人々に委ねている。これまで何も示したことのない人を盲信するような人々にだ」とルカ・マルモリーニは、パット・フライやジェームス・アリソンに言及。 「それにフェラーリは過去の多くの成功者たちが築いてきた基盤にダメージを与えるリスクをとっている。私はすでに去った人間であり、自分のことは言っているわけではない。だが、まだそこにいて当惑している優れたエンジニアたちのことを気の毒に思う」 さらにルカ・マルモリーニは、ルノーでの将来についての噂について「私がすでにルノーと契約したというのは真実ではない」とコメント。「事実、今のところF1はエンジンを凍結しており、私はそれがあまり好きではない。だが、正直に言えばグランプリにはその魅力があり、1カ月で考えが変わるかもしれない」