FIA(国際自動車連盟)は、最新の世界モータースポーツ評議会の会議の詳細を公開。この会議では、燃料温度とエンジン交換に関するレギュレーションなど、いくつかのアップデートが最終決定された。注意すべきは、パワーユニットの変更について、F1チームはパルクフェルメ状態でアップグレードされた仕様のエンジンに交換することが許可される点だ。これにより、F1チームは、新品もしくはアップデート版エンジン交換でより戦術的なグリッドペナルティを受けることが可能となる。
また、新しいF1パワーユニットが完全に持続可能な燃料を使用するという最近の発表に続き、2026年のF1エンジンレギュレーションも取り上げられ、最終仕様は10月の次の世界モータースポーツ評議会で最終決定される予定であることが発表された。これは、F1への新規参入を計画されているフォルクスワーゲン・グループのポルシェとアウディの最終決定がそのタイミング以降まで確定しないことを意味する。同社は2026年のF1エンジンレギュレーションの決定を待って、正式にF1参戦を決定するとしている。将来のF1エンジンに関して、FIAは「世界評議会は、2026年のパワーユニットレギュレーションの進捗状況に関するアップデートを受け取った。これは、FIA、F1、現認のパワーユニットマニュファクチャラーと潜在的なニューカマーとの間のかなりの作業と協議の結果、次の世界モータースポーツ評議会の会議の前に最終決定され、提示される予定となっている」と述べた。対処された他の問題として、より暑いレースでの燃料温度のしきい値が、以前の15℃ではなく20℃に変更される。今年のF1スペイングランプリでは、レッドブル・レーシングが、カタロニアの暑さの中で燃料が必要な温度に達するのに時間がかかり、ギリギリでピットレーンを離れるという事態があった他の場所では、一時的なパワーユニットの修理を可能にするための規定が設けられ、また、ドアミラーに関する規則が調整され、ドライバーの後方視界が改善され、ビームウイングの柔軟性とリアウイングのメインプレーンの後縁のたわみ試験がアップデートされた。FIAのモハメド・ビン・スライエム会長は「世界モータースポーツ評議会はパリに集まり、新しいガバナンスアプローチの枠組みの中で、組織の前進を計画する際に多くのトピックについて話し合った」とコメント。「我々は、2030年のネットゼロ排出量の目標に向けて、持続可能性を推進し続けていく。メンバーは、ハラスメントおよびあらゆる形態の差別に対するゼロトレランスアプローチを再確認する新しいFIAのハラスメント防止および差別禁止ポリシーを承認した「組織が長期的な目標を達成するための道筋を示すための継続的な努力に対して、メンバーに感謝したい」