フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1ハンガリーGP終盤にジョージ・ラッセル(メルセデス)との接近戦があった際、ラッセルが無線で不満を訴えたことについて、「彼はいつもそうだ」と皮肉交じりに語った。ラッセルは、ルクレールがブレーキング中に進路変更したと主張し、ペナルティを受けるべきだと主張。これに対し、チーム無線ではレースエンジニアのマーカス・ダドリーが「落ち着いて」と呼びかける場面もあった。
最終的にルクレールには5秒のタイムペナルティが科されたが、順位には影響しなかった。ルクレール「ジョージが無線で文句を言うのはいつものこと」「自分が限界ギリギリだったことはわかってる」とルクレールは語った。「そこまで大きな意見はないけど、自分としてはブレーキの前に動いて、それから apex に向かって車を傾けたつもりだった。僕はいつもああいうライン取りをしている」「でも、まあ……ジョージが無線でいろいろ言うのはいつものことだから、驚きはないよ」その上で、ペナルティについては「もしレース中にセーフティカーが入っていたら、5秒ペナルティの影響は大きかっただろうから、もっと腹が立っていたかもしれない」と述べている。スチュワードは裁定文で以下のように説明した。「カーナンバー16は、ブレーキング前にカーナンバー63に向かって動き、さらにブレーキング中にも動いた。接触こそなかったが、2つの動きが合わさったことで“予測不能なドライビング”と見なすに足る行為だった」「なお、63号車が追い越しに成功しており、接触もなかったため、より軽度の処分を適用した」ラッセル「1度目は我慢したが、2度目で仕掛けた」ラッセルはレース後、ルクレールがブレーキング後に再度進路を変えたことで「突っ込むしかなかった」と主張した。「時速330kmでストレートを走っていて、そのままコーナーに飛び込むわけだけど、マシンのグリップは完全に限界なんだ」「そういう状況では、誰かを避けようとしてブレーキしてハンドル切るなんて無理な話だ」「僕はインに行くって明確に示した。でも彼はブレーキに入った後で動いた。それはルール違反だ」「1回目のときは不満だったけど、2回目もやられたから、もう突っ込むしかないと思った。そして接触も起きた」ラッセルはこのバトルを制して3位表彰台を獲得。一方のルクレールは、ポールポジションからスタートしながら4位に終わり、悔しい結果となった。ラッセルの“無線抗議”は以前にも物議今回の件に限らず、ラッセルの無線での抗議姿勢は過去にも問題視されてきた。昨シーズンはマックス・フェルスタッペンとの間で、スチュワード室内での態度をめぐって対立したことがある。当時フェルスタッペンはこう述べていた。「僕はこれまで何度もスチュワードルームに行ったけど、あそこまで誰かを“潰しにかかる”態度を見たことはなかった。あれで彼へのリスペクトは完全になくなった」