ブリヂストンが、2009年F1第3戦中国GPの決勝レースを振り返った。上海国際サーキットで開催された中国GPは、難しいコンディションの中、ウェット・タイヤが選択されるレースとなり、レッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルが自己2回目、チームにとっては初のレース優勝を飾った。今回のレースは、全車両がウェット・タイヤを装着してセーフティーカーの先導でスタートを切った。雨が降り続けたため、ほぼ全選手がレースの最後までウェット・タイヤで走り続けた。
浜島裕英 (ブリヂストン MS・MCタイヤ開発本部長)ブリヂストンの立場から見たレースはいかがでしたか?「2009年もエキサイティングなレースになりました。初優勝のレッドブル・レーシングと、2回目の優勝を達成したセバスチャン・ベッテルにお祝いを申し上げます。今週末持ち込んだドライタイヤのスペックは、スーパーソフトとミディアムで、予選もエキサイティングでした。またウェット・タイヤが適したコンディションで高い性能を発揮することが分かるレースでした。トップグループの中で興味深かったのは、ルーベンス・バリチェロが最後のピットストップで新しいタイヤに交換せずにそのままのウェット・タイヤで走り続けたことです。また、ニコ・ロズベルグがインターミディエイトを使っていましたが、適したコンディションまで路面が乾くことはありませんでした」今回もウェット・タイヤが使われるレースになりましたが、ウェット・タイヤのパフォーマンスには満足されていますか?「これまでも、ここではウェット・タイヤが高い性能を発揮しています。2009年度仕様のクルマは以前のものよりもダウンフォースが少ないのは明らかです。ドライならば空力グリップの不足を補うメカニカル・グリップが発生しますが、ウェットではそれが起こりません。それにも関わらず、我々ブリヂストンのウェット・タイヤは非常に難しいコンディションの中で高い性能を発揮しました。もちろん、コースには部分的にとても深い水たまりができていたため、ドライバーはアクアプレーニング現象に苦しんでいましたが、総合的には満足できる結果でした。今日は、どの選手も非常に良いドライビングを見せてくれました」
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