2025年F1サンパウロGPスプリント(全24周)は、変わりやすい天候と難しい路面コンディションのなかで序盤から波乱の展開となった。ポールポジションからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)が首位を堅持し、キミ・アントネッリ(メルセデス)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続いたが、中盤で複数のクラッシュが発生し、レースは赤旗中断に追い込まれた。スタートではノリスが完璧な加速を見せ、アントネッリが2番手をキープ。3番手のピアストリはやや出遅れたものの、メルセデス勢に食らいつく走りを見せた。
フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は5番手へ浮上し、アロンソ(アストンマーティン)がそれを追う形となった。序盤にはリアム・ローソン(レーシングブルズ)とオリバー・ベアマン(ハースF1チーム)が接触し、ベアマンがスピンを喫して後方に沈む場面も。路面は部分的に湿っており、ドライバーたちは縁石を避けながら慎重に走行を続けた。5周目にはノリスがアントネッリとの差を1.5秒に拡大し、レースをコントロール。ミディアムタイヤを履くマクラーレン勢が速さを発揮し、ソフト勢のタイヤ摩耗が早くも不安視される展開となった。しかし6周目、ピアストリがターン出口で濡れた縁石に乗り上げ単独スピン。その直後にニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)とフランコ・コラピント(アルピーヌ)も同地点でコントロールを失い、3台が相次いでバリアに衝突した。ヒュルケンベルグは辛うじてピットに戻ったが、ピアストリとコラピントはマシンを降りリタイアとなった。マシン回収とバリア修復のため、レースは赤旗が提示され中断。残り16周を前に、ノリスがトップ、アントネッリ、ラッセル、フェルスタッペン、アロンソが続く順位で再開を待つ状況となった。ピアストリのリタイアにより、チャンピオンシップ争いは大きく動く可能性がある。ノリスがこのまま勝利すれば、タイトル争いのライバルに対して9ポイントのリードを広げることになる。
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