バルテリ・ボッタスは、F1でチームが実績のあるドライバーよりも新進のドライバーを優先する傾向が「再び変わる可能性がある」と主張している。前回のシーズンでは、2シーズン間でドライバーの顔ぶれが変わらなかったのはF1史上初めてだったが、2025年にルイス・ハミルトンがフェラーリに移籍したことでグリッドに大きな変化が起こった。
しかし、フェラーリはチームのタイトル獲得を強化するために、現在40歳のルイス・ハミルトンと契約することを選択したが、メルセデスは7度のF1チャンピオンを獲得したハミルトンを、後継者であるアンドレア・キミ・アントネッリと交代させた。アントネッリは2025年に5人のルーキーの1人となった。アントネッリ、オリバー・ベアマン、ジャック・ドゥーハンの3人は2024年にF1デビューを果たしており、彼らはレギュラードライバーの座を射止めた。一方、ガブリエル・ボルテレロはザウバー、アイザック・ハジャーはレーシングブルズでレースに出場する。メルセデス代表のトト・ヴォルフは、体調不良のカルロス・サインツJr.に代わりサウジアラビアGPでフェラーリから出場し、限られたプラクティスでポイントを獲得したベアマンの印象、そしてウィリアムズでシーズン中盤に頭角を現したフランコ・コラピントの活躍が、若いドライバーが最初から活躍できるとチームに勇気を与えたと考えている。「2026年には新しいレギュレーションが導入される」とヴォルフはAuto Motor und Sportに語った。「チームはそれに備えたい。だからこそ、チームは来季はルーキーを育成することを好む」「きっかけの一つは、オリバー・ベアマンがフェラーリでデビューしたことだと思う。彼は準備不足のままマシンに乗り込み、フリープラクティスを経験し、フロントローからスタートした」「そして、コラピントも即戦力となった。突然、誰もが若手ドライバーたちが高いレベルでスタートしていることに気づいた」ザウバーでは、バルテリ・ボッタスの代わりにガブリエル・ボルトレトが起用された。若手へのこだわりが逆転劇を生む可能性もあるバルテリ・ボッタスは、ザウバーF1チームのシートをガブリエル・ボルトレトに奪われ、リザーブドライバーとしてメルセデスに復帰した。ボルトレトは、2024年にF2タイトルを獲得した元マクラーレン・ジュニアで、刷新されたドライバーラインナップでベテランのニコ・ヒュルケンベルグのパートナーに選ばれた。しかし、世代交代が起こったことを認めながらも、2026年に復帰する野望を抱くボッタスは、ボルトレトのようなドライバーが来季の成績を残すかによって、チームが再び経験を重視する可能性もあると主張している。「ルーキーやニューカマーに対する風潮が少し見られる」とボッタスはMotorsport Weekに語った。「でも、来年には彼らがどれほどうまくやれるかが見えてくるだろう。そして、また風潮が変わる可能性もある」「現時点では、経験よりもルーキーの方が好まれる傾向にある。しかし、それはいつでも変わる可能性がある。彼らが経験をどう見るかは変わらないだろう」トト・ヴォルフは、キミ・アントネッリがF1のライバルチームに引き抜かれることがないことに安堵している。フェルスタッペンのドライバー市場への影響2015年に弱冠17歳でデビューし、その荒削りな速さと豪快なドライビングスタイルで周囲を驚かせたマックス・フェルスタッペンは、ルーキーに対する見方を変えた。トト・ヴォルフは、ルイス・ハミルトンが自らメルセデスを離れることを選択した際には安堵したと述べている。なぜなら、2014年にハミルトンとフェルスタッペンがレッドブルの契約を巡って争った際、ヴォルフはフェルスタッペンをライバルチームに奪われることを避けることができたからだ。チームの間では、次の大物ドライバーを獲得しようと急いでいるという指摘に対して、バルテリ・ボッタスは「ええ、そう思う。今は若手ドライバーを起用するのがトレンドになっていると思う」「うまくいくときもあれば、そうでないときもある。それは時間が経ってみないとわからない」