2023年 F1ベルギーGP：WINNERS ＆ LOSERS

勝者：マックス・フェルスタッペン2023年を独走するチャンピオンシップリーダーであるマックス・フェルスタッペンについては、もう最上級の言葉が尽きてしまった。ダブルワールドチャンピオンに君臨するフェルスタッペンは、トップでクルージングしているときはとてもリラックスしており、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアゼと談笑したり、“スパイキー”な無線メッセージを送ったりしていた。スプリントで1位を獲得した翌日、フェルスタッペンは6番グリッドから順調に抜け出し、レッドブルのチームメイトであるセルジオ・ペレスをパスしてトップに立つと、そのまま22.305秒差をつけて8連勝を飾り、セバスチャン・ベッテル（フェラーリ）が2013年に記録した9連勝まであと1勝に迫った。フェルスタッペンは2023年にすでに10勝を挙げており、他の2つのグランプリでは2位、連続表彰台獲得は13回となり、これは史上4番目に長い連続表彰台となった。彼は約4か月の間、スプリントでもグランプリでも負けなしでオランダのホームレースに到着することになる。絶好調のドライバーによる堂々たる走りだった。レッドブル、スパでさらなる1-2フィニッシュを祝う敗者：ジョージ・ラッセルジョージ・ラッセルはレース後、「この週末が終わってよかった」と語った。チームメイトのルイス・ハミルトンと互角のパフォーマンスを発揮するのに苦労し、スパでの「くだらない」なトラック経験に耐えた。スプリントではトップ8に食い込み、ポイントを獲得したが、グランプリの好スタートは、不調のマクラーレンのオスカー・ピアストリに阻まれて台無しになった。2週連続で6位を獲得したが、これは彼の高い期待をはるかに下回っている。ラッセル、スパでの苦境を6位で挽回勝者：ルイス・ハミルトン当然のことながら、7度のワールドであるルイス・ハミルトンが4位に満足するはずはないが、今シーズンがこれまでどれほど難しかったかを考えると、確実なポイントを獲得する素晴らしいドライブだった。金曜のスパで17回の訪問中12回目のトップ3スタートを確保し、スプリントではセルジオ・ペレスを果敢にパスして4位に浮上したが、途中でレッドブルと接触したために5秒のタイムペナルティを科された。グランプリの最終ラップではファステストラップを奪い、ドライバーズランキング3位争いで元チームメイトでタイトルライバルのフェルナンド・アロンソと1ポイント以内に迫った。ハミルトン、表彰台を目指すも時間切れ敗者：ハースF1チームハースが最後にポイントを獲得したのは4月のアゼルバイジャンGPまでさかのぼらなければならないが、アメリカチームはコンストラクターズランキングでウィリアムズに飛び越えられるほどの苦戦を強いられている。スパもまた残念な週末となったが、1周のレースではそこそこの競争力を発揮するものの、レーストリムではタイヤのデグラデーションに苦しめられるというパターンが続いている。ニコ・ヒュルケンベルグはスプリントを20番手から、メインイベントをピットレーンからスタートした。ケビン・マグヌッセンはそれほど前に出ず、両者ともどの段階でもポイント争いに加わることはなかった。勝者：シャルル・ルクレールこれはシャルル・ルクレールにとって今年最も充実した週末の一つであり、フェラーリドライバーは、ウエットで変わりやすいコンディションの中でドライビングスタイルとアプローチを修正し、フェルスタッペンにギアボックス交換ペナルティが科せられたためだけではあるが、キャリア20回目のポールポジションを獲得した。ルクレールはポールポジションから勝利に結びつけられなかった回数を9回に伸ばしたが、日曜日の午後のペースは頼もしく、ハミルトンの脅威をかわして今季3度目の表彰台を獲得した。ルクレール、ベルギーで今季3度目の表彰台敗者：カルロス・サインツルクレールがクリーンな週末を過ごした一方で、チームメイトのカルロス・サインツにとってはあまり良い結果ではなかった。スプリントでは好成績を収め、4位で彼の年間スプリント総獲得数は15となった（それを上回るのはフェルスタッペンだけ）。しかし、ビッグポイントが与えられる日曜日にはすべてが狂い、スタート直後の第1コーナーの頂点でピアストリと接触し、最終的にリタイアを余儀なくされるダメージを負った。これが彼にとって今年初のDNFであり、ラッセルのポイント獲得により、メルセデスのドライバーに次ぐランキング6位に後退した。勝者：オスカー・ピアストリピアストリは今年のベルギーGPで初めてのリタイアを喫したが、それはそれ以外では素晴らしい週末の中での小さな出来事であり、新星の飛躍の瞬間として振り返られることになるだろう。週末を通して第2セクターで力強く、シュートアウトでは一連のコーナーでハミルトンよりも1.7秒速かった。そして、高く評価されているチームメイトのランド・ノリスにも負けなかった。スプリントでは一時トップに立ち、2位でF1初のトップ3フィニッシュを決めた。グランプリでのターン1でのイン側への飛び込みは、サインツに言わせれば少し「楽観的」すぎたかもしれないが、それはさておき、微笑むべきことがたくさんあった。敗者：ウィリアムズ・レーシングウィリアムズはスパに大きな期待を寄せていた。滑りやすい彼らのマシンは、ドライコンディションであれば7kmのトラックに数多くあるストレートで脅威となることが期待されていた。残念ながら、最初の2日間はほとんど雨に見舞われ、彼らの攻撃は鈍った。いつもは得意とするトラックで、タイヤの摩耗がウィリアムズを苦しめた。日曜日に乾いたときでさえ、彼らはダウンフォース構成が低かったため、ミドルセクター（ほとんどのコーナーがある）であまりにも苦戦し、それがタイヤを痛め、得点の望みを絶たれた。タイヤの摩耗がウィリアムズを苦しめた。勝者：角田裕毅アルファタウリはグリッドで最も遅いマシンの1台であり、角田裕毅と新しいチームメイトのダニエル・リカルドにとっては厳しい状況となっている。パッケージを最大限に活用するのが最善であり、精彩を欠...