2025年F1第11戦オーストリアGPを目前に控えた木曜日、レッドブル・リンクでの公式記者会見が行われ、地元レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン、ルーキーのアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、そしてアルピーヌF1のピエール・ガスリーが登壇した。4度の優勝経験を持つフェルスタッペンは、自身の“ホーム”であるこの地に新型アップグレードとともに臨むにあたり、楽観と現実を織り交ぜた冷静な姿勢を示した。
一方、ハジャーは前戦カナダGPの苦戦を振り返りつつも、相性の良いヨーロッパラウンドでの巻き返しに自信を覗かせ、ガスリーはアルピーヌの現状と将来の焦点について率直に語った。ドライビングスタンダード・ガイドラインの解釈、ペナルティポイント制度、そして2026年レギュレーションへの関心など、多岐にわたるテーマについて各ドライバーの率直な意見が交わされた内容の濃いセッションとなった。Q:マックス、まずあなたから始めましょう。レッドブルリンクではこれまでに4勝を挙げていますが、今週末に5勝目を挙げられるという自信はありますか?マックス・フェルスタッペン:4勝?5勝だよ。Q:5勝目を目指すという意味で。フェルスタッペン:もう5勝してるよ。Q:それでは、さらにもう1勝する自信は?フェルスタッペン:まあ、保証はないからね。もちろん、僕たちは常に最善を尽くそうとしているよ。過去にはここで本当に素晴らしいレースをしてきた。中には、正直言って予想外の勝利もあったと思う。だから今回も、もしかすると優勝候補ではないかもしれないけど、自分自身もチームも、すべてを最適化するために全力を尽くすつもりだ。今週末はかなり暑くなりそうだし、タイヤを保たせるのが難しくなるのは間違いない。でも楽しみにしているし、ベストを尽くしたい。そしてもちろん、表彰台に上がれたらいいと思っている。Q:最適化という話がありましたが、今回オーストリアでは新しいパーツも入っています。どんな効果を期待していますか?フェルスタッペン:うん、パフォーマンスが少しでも上がってくれたらうれしいよ。チームがこれらのパーツのために一生懸命働いてくれたからね。だからアップグレードがあるのはとてもありがたいことだ。少しでも前進できれば競争力が高まるし、ギャップを縮める助けにもなるはず。でも同時に、他のチームも年間を通じてアップデートを入れてきているから、僕たちもハードワークを続けて、ギャップを縮める努力をしていかなければならない。Q:昨年の予選ではあなたのポールラップが他の全員より0.4秒も速くて皆が驚きました。ここでの1周の運転について少し教えてください。その秘訣とは?フェルスタッペン:ブレーキを遅くするか、アクセルを早く踏むか、あとはスムーズなドライビングだね。なぜか分からないけど、ここでは昔からいつもいい感触がある。人によって得意なサーキットとそうでないサーキットがあるものだけど、僕にとってはここは自然と合う方なんだと思う。もちろん、これは僕たちのホームグランプリでもあるけどね。流れというか、特にセクター2とセクター3の高速コーナーのリズムがいい。ここで戦うには車の性能も必要だし、ほとんどの年で僕たちのマシンはかなり良かった。昨年の予選のギャップには驚いたけど、あのときは予選でのパフォーマンスをタイヤの準備なども含めて完璧に出し切れたと思う。短いラップだから簡単じゃないんだけどね。レースでは激しいバトルだったと思う。Q:最後にもう1つ、セバスチャン・ベッテルが今週、ヘルムート・マルコと定期的に連絡を取り合っていて、レッドブルのポジションに関する話し合いをしていると発言しました。ベッテルが何らかの形でチームに加わる可能性について、どう思いますか?フェルスタッペン:レッドブルであれだけ多くの実績を残し、レッドブルに育てられたドライバーが、いつでも何らかの形でチームに関わる余地があるのは、当然のことだと思うよ。ベッテルはチームを去ったあともヘルムートとすごく良い関係を保っていたしね。だから、彼らが話をしていたことは知らなかったけど、何らかの形でセブが関わる余地は常にあると思う。Q:アイザック、次はあなたです。まずは前回のカナダGPについて伺います。あなたとチームにとって少しフラストレーションのある週末だったと思いますが、問題の原因は把握できていますか?アイザック・ハジャー:1周のペースでは、ドライブするのがかなり難しかったのは確かだよ。乗り心地も本当にひどかった。でもそれでもQ3に進出できたからね。ただ、そういうことは1周ではできても、70周を通してマシンのポテンシャルを引き出すのはずっと難しい。特にミディアムタイヤでのグレイニングが原因で、他のチームに比べてタイヤのデグラデーションでかなり苦しんでいた。でも中団の他のチームとの差は非常に僅差だったし、今回はたまたまその僅差で悪い側にいたというだけ。いつもなら逆側にいることが多いから、流れを変えられるように頑張るよ。Q:今季はこれで11戦目です。マシンについてもう少し詳しく教えてください。レースによって良かったり悪かったり、セットアップが難しいマシンですか? それとも一定のパフォーマンスを発揮していますか?ハジャー:今季は、パフォーマンス面では最も一貫したマシンだと思う。悪い意味で驚かされることは一度もなかった。モントリオールにマシンを最適化して設計するわけじゃないからね。あそこは特殊なサーキットだよ。だからもっと伝統的なヨーロッパのサーキットに戻れば、バルセロナのときのように競争力が出てくると思ってる。Q:オーストリアのこのサーキットについて教えてください。F2時代には表彰台に上がったこともありますね。今年は予選があなたの強みでもありますし、土曜日には期待していいでしょうか?ハジャー:それがターゲットだね。マシンがQ3に行ける性能を持っていれば、僕はミッドフィールドのトップを目指して全力を尽くすよ。このサーキットは本当に好きだし、これまでにもいい結果を出してきた。でもF2やF3で走ったことのあるサーキットでも、F1マシンで走るとまったく別物に感じるんだ。速さが全然違うからね。セクター1は純粋なブレーキング性能と超低速コーナーで、そこからは超高速区間に入っていく。だからこのコースは2つに分かれているような感じで、そこが僕はすごく気に入っているよ。Q:ピエール、次はあなたです。まずはカナダについて伺います。厳しい週末でしたが、そこからどんな学びがありましたか?ピエール・ガスリー:そうだね...