2026年のF1世界選手権の開幕戦となるオーストラリアGPは、エネルギーマネジメントが勝敗を左右する“エネルギー警報”状態になる可能性がある。バーレーンと比較して回生量が大幅に少なく、バッテリー運用とセットアップ選択が極めてシビアになるとみられている。メルボルンは高速化が進み、グラウンドエフェクト世代のマシンは予選平均速度が250km/hを超える水準に達している。全開区間はバーレーンより長い一方で、アクセル全開時間はほぼ同等とされ、回生とのバランスが難しいレイアウトだ。
ブレーキング回生はバーレーンの約3分の1ブレンボの2025年シミュレーションによれば、メルボルンでの総ブレーキング時間はわずか8.3秒。バーレーンの16.2秒と比較して約半分にとどまる。その結果、1周あたりの回生エネルギーは約2.9MJに過ぎず、レギュレーション上限である8.5MJを大きく下回る。単純計算でバーレーンのほぼ半分以下の回収量となり、電力運用に深刻な制約が生じる可能性がある。FIAはハイブリッド出力低減も想定FIAはこの状況を把握しており、各チームに対してハイブリッド出力が抑えられた場合のシミュレーションを要請しているとされる。現時点で即時のレギュレーション変更は見込まれていないが、必要と判断された場合、回生可能エネルギーの上限調整など技術的措置を講じる権限を有している。目的は競争の公平性と安全性の確保だ。ダウンフォースかエネルギーかチームは空力パッケージとエネルギーマネジメントの最適解を探る必要がある。ダウンフォースを削減すればドラッグ低減によってエネルギー消費を抑えられるが、コーナリングスピードは犠牲になる。一方、アクティブエアロゾーンの活用は、特定区間で効率的なエネルギー運用を可能にする鍵となる。メルボルンは単なる開幕戦ではない。2026年レギュレーション下でのエネルギー戦略の成否を占う最初の試金石となる可能性が高い。バッテリー残量と空力哲学、その両立が問われる週末になる。
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