フォーミュラE選手権の第5戦がメキシコシティで開催され、ダニエル・アプトが、アウディのワークスチーム、Team Audi Sport ABT Schaeffler(チーム アウディ スポーツ アプト シェフラー)に初めての優勝をもたらした。完璧なレースを展開した25歳のダニエル・アプトは、フォーミュラE選手権で優勝した初めてのドイツ人ドライバーとなった。チームメイトのルーカス・ディ・グラッシは、最後尾スタートとなりながらも、ファステストラップを記録して見事な追い上げを見せ、ポイント圏内の9位で完走した。
印象的な景観に囲まれたアウトドローモ エルマノス ロドリゲス サーキットには、アウディ メキシコの熱狂的な従業員約500人が応援に駆け付けた。サッカー試合のような熱気と歓声に包まれた雰囲気の中、アウディの両ドライバーが素晴らしい走りを披露した。5番グリッドからスタートしたダニエル・アプトは、スタート直後に順位をひとつ上げ、レース中盤にはトップを走行するオリバー ターベイ(NIO)に続く2番手を走行。完璧なピットストップによってトップに躍り出ると、その後は圧倒的な強さで後続マシンを引き離した。ダニエル・アプトは、47周のレースで、2位に6秒398という大差をつけて、Audi e-tron FE04をチェッカーに導いた。ダニエル・アプトは「ついに優勝することができました。本当に素晴らしい1日となりました。これまで厳しい戦いを強いられてきましたが、決してあきらめなかった結果、圧倒的な強さで勝利することができました。ルーカス・ディ・グラッシも9位でフィニッシュしています。チームの皆を大変誇りに思います。全員に感謝の気持ちで一杯です。マシンは完璧のひとことでした」と語った。昨年のチャンピオン、ルーカス・ディ・グラッシは、ペナルティにより最後尾スタートとなり、前回大会のチリと今回のメキシコシティの間にAudi e-tron FE04のインバーターに手を加えたため、規定により5秒のピットストップペナルティも課せられてしまう。それでも、ブラジル人ドライバーのルーカス・ディ・グラッシは、レースを通して決意溢れる走りを見せ、ファステストラップを記録し、9位に入賞して今季初のポイントを獲得した。ルーカス・ディ・グラッシは「エキサイティングなレースを楽しむことができました。素晴らしい仕事をしたダニエルを祝福したいと思います!結果的には失格となってしまいましたが、彼は香港戦ではトップでチェッカーを受けています。我々のチームは決してあきらめません。今日から巻き返しを図るつもりです」と述べた。アウディ モータースポーツ代表のディーター・ガスは「香港第2戦では問題が発生しましたが、今回のレースでは勝利の美酒に酔いしれることができます。今日のレースは、どのような展開になるかまったく予測できませんでした。予選後の感触は、まだ予断を許さない状況でした。しかしレースでは、ふたりともトップパフォーマンスを見せてくれました。ルーカスの走りは素晴らしく、ダニエルが優勝できたことを本当に嬉しく思っています」とコメント。チーム代表のアラン マクニッシュは「ダニエルは、凄いレースを見せてくれました。どうしたらオーバーテイクして、優勝できるのかというお手本のようなレースでした。困難な状況からポジションを大きく上げて、ファステストラップも記録したルーカスには大変勇気づけられました。彼の走りには、チームだけでなく、レースの間にハードワークを続けてきた本拠地のスタッフ全員が感銘を受けました」と述べた。フォーミュラEで初優勝したダニエル・アプトは、ドライバーズランキング6位に浮上した。Audi Sport ABT Schaefflerのチームランキングも、全12戦中5戦が終了した時点で6位となっている。次回の第6戦は、2週間後の3月17日(土)に、ウルグアイのプンタ デル エステで開催される。
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