2026年F1シーズン序盤、アストンマーティンが深刻なパフォーマンス問題に直面している。ホンダ製パワーユニットに起因するとされる振動問題により、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがレース距離を完走できない可能性まで指摘される状況だ。こうした中、元F1ドライバーで現在は解説者を務めるイヴァン・カペリは、アストンマーティンがエイドリアン・ニューウェイを事実上「解任できない」状況にあると指摘した。ニューウェイはチームの株主でもあり、組織上の立場が極めて特殊なためだという。
ニューウェイは株主のため解任できないカペリはイタリア紙のインタビューで、現在のアストンマーティンの状況について次のように語った。「アストンマーティンは2027年に向けて最も魅力的なチームになると思われていたが、今は疑問符がついている」「ホンダのパワーユニットに起因する技術的問題が、他の問題を覆い隠している」さらにカペリは、ニューウェイの役割の変化がチーム運営に影響している可能性を指摘する。「ニューウェイは真の天才だ。しかし彼には常に上司がいた。ウィリアムズではパトリック・ヘッド、マクラーレンではロン・デニス、レッドブルではクリスチャン・ホーナーだ」「現在はチーム代表であり、デザイナーでもある。そして土壇場まで細部を変更した結果、マシンの完成が遅れた」「さらに彼は組織運営の問題にも直面している。これまで考える必要がなかったことだ」「しかも彼は株主でもあるため、解任することもできない」2026年F1レギュレーションはまだ発展途上カペリは2026年F1レギュレーションについても言及し、現在の技術状況がまだ流動的であると指摘した。「エネルギー回生のために使用する最大キロワットについて議論が続いている。最大は350kWだが、アストンマーティンはそこに到達できていないと述べている」「他のチームも電動コンポーネントを完全には活用できていない」「実際には200〜250kWでテストしている状況で、すべてはまだ進化の途中だ」また、F1最高経営責任者のステファノ・ドメニカリが「数レースで問題は解決する」と発言したことについても、カペリは懐疑的な見方を示した。「私はこの状況がしばらく続くと思う」「大きな革新にもかかわらず、トップ4チームは接近するだろう。メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、レッドブルだ」「しかしその他のチームとは大きな差があり、おそらく1秒ほど遅れるだろう」フェラーリとルクレールを高評価一方でカペリは、フェラーリの開発方向については高く評価している。「テストで、2026年マシンは2025年のものより明らかに良くなっていることが証明された」「シャルル・ルクレールはパフォーマンス改善のための特定の作業を行った。リアエンドの変更、いわゆる“マカレナ”リアウイングなどだ」「要するに非常に攻撃的なアプローチだ」また、フェラーリに移籍したルイス・ハミルトンについては、当面はルクレールが優位に立つと予想している。「ルクレールにはまだコンマ数秒の余力があると思う」「ルイスはコーナーでそれほどスムーズではなかった。まだ本能的にドライブできていない」「少なくとも最初のうちはシャルルが前にいるだろう」アントネッリや中団チームにも注目カペリはメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリについても高く評価した。「彼は非常にモチベーションが高く、態度も成熟している」「ラッセルの実力を測り、自分の強みと弱みを理解している」「彼のメンタリティが違いを生むだろう」さらに中団勢についても興味深いチームがあると指摘する。「アウディはかなり大きな形状のマシンだが、コーナーではバランスが良さそうだ」「アルピーヌはサプライズになるかもしれない」「ハースF1チームも興味深い存在だ」アストンマーティンとホンダの苦戦、そして2026年F1レギュレーションの複雑さが絡み合う今季の序盤戦。パドックではすでに、チームの構造そのものを巡る議論まで浮上し始めている。