エイドリアン・ニューウェイが、2026年に導入されるF1の大幅なレギュレーション変更に向けたマシン設計作業について「非常にやりがいを感じている」と語った。レッドブルの元テクニカルチーフである66歳のニューウェイは、クリスチャン・ホーナーがチームを離れる1年以上前の2023年シーズン中盤に退団を決意し、現在はアストンマーティンに加わって2026年型マシンの開発に専念している。
シルバーストンでフェルナンド・アロンソは、「今季のマシンや改善点について質問しても、彼は別のオフィスに歩いていってしまうんだ」「彼の頭の中はすでに2026年だよ」と笑いながら語った。ニューウェイはF1史上屈指の名デザイナーとして知られており、現在も業界最高額の報酬を得ている。スペインのDAZNによれば、ニューウェイはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで「私は今でも製図板を使う業界最後の恐竜のような存在だ」と発言。「私にとってそれはひとつの言語であり、頭の中のアイデアを媒体にアウトプットして、それを進化させていく手段なんだ」と語った。ニューウェイは、これまでにもウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルで数々のタイトルを獲得してきたが、その多くは大規模なレギュレーション変更期に達成されたものだった。そうした背景からも、2026年にホンダ製パワーユニットを搭載するアストンマーティンには注目が集まっている。「新レギュレーションは非常に大きな挑戦だ」とニューウェイは語る。「シャシーとパワーユニットの規則が同時に変わるのは、おそらく今回が初めてだと思う。だから全チームがそれらをどう統合するか必死で取り組んでいる」なおニューウェイは以前、現行のF1レギュレーションが技術者にとってあまりにも制限的であると批判しており、特に2026年のルールには厳しい評価を下していた。しかし現在、その姿勢は大きく変わっている。「今回のレギュレーション変更には非常に刺激を受けている」とニューウェイは語る。「新しいアイデアを試す機会がある。それはどのチームにも同じことが言える。だから、我々が特別なことを成し遂げられると言うつもりはないが、それでもやはり非常にやりがいのある挑戦だ」