アルファタウリ・ホンダF1のチーム代表を務めるフランツ・トストは、レッドブルから教育を託された角田裕毅を更生させることに自信を持っている。今年、7年ぶりの日本人F1ドライバーとしてアルファタウリ・ホンダF1からデビューを果たした角田裕毅は、F2からF1への移行でこれまでジェットコースターのようなシーズンを過ごしてきた。
開幕戦F1バーレンGPの予選Q1で2番手タイムを記録し、決勝で9位入賞というデビューでレッドブル上層部に感銘を与えた角田裕毅だったが、続くイモラでのF1エミリア・ロマーニャGPでは予選Q1で不必要なクラッシュを喫し、第3戦F1スペインGPではパフォーマンスが上がらない苛立って「ガスリーとは違うマシンだ」だとメディアに語って謝罪。F1モナコGPではウォールにぶつけないことを何度も念押しされていたにも関わらず、フリープラクティスでマシンをウォールに接触させてレッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコの怒りを買い、英国からアルファタウリの本拠地のあるイタリアに転居して出直しを命じられた。そこでチームと仕事漬けの1週間を過ごした角田裕毅は、前戦F1アゼルバイジャンGPでこれまでで最も完璧と言える週末を過ごし、F1キャリアで初めてQ3に進出。Q3でクラッシュはあったものの、決勝では7位入賞と自己ベストリザルトを記録した。これまでトロロッソでセバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンが血気盛んなF1デビューを指導して勝てるドライバーとして輩出したフランツ・トストは、角田裕毅の更生に自信をもっており、重要なのは自分がどこまでプッシュできるかを把握させることだと語る。「彼は自分が限界にしているときにそれを学ぶ、もしくは理解しなければならない」とフランツ・トストは説明する。「他のトップドライバーと同じ0.1秒内にいる場合は、より高くなるためのスペースはこれ以上ない」「そして、ドライバーとして『ブレーキを遅らせることはできない』『これ以上ハードにプッシュすることはでいない』ことを認識しなければならない。彼ができると思っている風にはならない。シンプルにタイヤウォールで終えるだけだ」「しかし、これは一種の学習プロセスだ。そして、バクーの週末の間に、チームはすでにマシンの理解と技術的なフィードバックの面で大きな前進を遂げたと言わなければならない」「したがって、彼は信じられないほどの自然なスピードを持っているので、我々は彼を正しい道に導くことできると確信している」今シーズンの角田裕毅のクラッシュは理想的ではなかったが、フランツ・トストは物事を慎重に行うよりも、強くプッシュするドライバーの方を好んでいると語る。「私はプッシュしているドライバーが好きだし、何らかのリスクを冒すドライバーが好きだ」とフランツ・トストは語る。「だが、もちろん、遅かれ早かれ、それを管理できるようになる必要がる。そして、これが我々が裕毅に教えなければならないことだ」「しかし、正直なところ、私は誰かをより速くしようとするよりもこの方法が好きだ。速いドライバーにスピードを落とさせるのは、遅いドライバーのスピードを上げるよりも簡単だ」