2025年F1アブダビGPの最終プラクティスはメルセデスのジョージ・ラッセルが1分23秒334でトップ。ランド・ノリスはわずか0.004秒差の2番手につけ、フェルスタッペンも0.124秒差の3番手と、三つ巴のタイトル争いがそのままFP3上位に並ぶ結果となった。上位5台が0.259秒以内という異例の接近戦で、予選は完全に“紙一重”の戦いへ。
序盤:ノリスが序盤から飛ばす一方、各車が異なるタイヤで探り合い開始直後からノリスがソフトで積極的にアタック。ターン出口でやや不安定な挙動を見せつつもトップに立ち、昨日同様の強い仕上がりを示した。マクラーレン勢は早めにソフトを投入したのに対し、アストンマーティンやレーシングブルズは中盤までミディアムを中心に評価ランを実施。路面温度が週末最も高い状況で、予選に向けた方向性を各チームが慎重に見極める展開となった。角田裕毅とノリスが接近、インシデントとして調査へノリスはアタック中に角田裕毅の背後へ急接近。角田は即座に手を挙げて謝意を示したものの、出口で動きが重なったことでスチュワードは調査対象とした。ノリスは不満げな様子ながら回避に成功し、マクラーレンの流れに大きな影響はなし。“ルーキー”ピアストリはセクター1・2で最速級も最終セクターで失速ピアストリは初回のアタックでセクター1・2を紫表示に塗る勢いを見せたが、最終セクターでわずかなミスが出て首位争いから後退。それでも5番手(0.259秒差)と十分に予選上位が射程圏内で、決勝に向けたロングランでの安定性も含め総合的に良好。中盤:アントネッリが角田裕毅に接触、メルセデスに痛恨の判断ミスピットレーンでメルセデスがアントネッリをリリースした瞬間、すでにファストレーンにいた角田の横腹へアントネッリが接触。アントネッリはフロントウイングを破損し、角田の車体側面にもダメージの可能性が発生。いずれもセッション後に調査対象となり、特に新人アントネッリには厳しい判断が下る可能性も。ベアマンがまたも“速さ”を証明、ハースは2台揃って上位FP2で衝撃的な速さを見せたオリバー・ベアマンは、FP3でも7番手に入る上位安定性を見せた。オコンも6番手につけ、ハースは“2台揃ってトップ7”という抜群の仕上がり。マシンバランスの良好さは本物で、予選Q3進出は現実的な目標となった。ザウバーも堅実な好パフォーマンス、ボルトレト11番手・ヒュルケンベルグ13番手ザウバー勢は中団上位をキープ。ボルトレトは11番手、ヒュルケンベルグは13番手とFP2からの流れを維持し、特にミディアムでの競争力が高い点は決勝戦略に向けて大きな強みとなる。ルクレールはロングラン重視、28周の最多周回で8番手フェラーリのシャルル・ルクレールはFP3最多となる28周を走行。セットアップ確認を重視した内容で、8番手というタイム以上にレースペースの向上が見られた。昨日の不安を払拭できている可能性が高い。終盤:ラッセルとノリスが最終決戦の火蓋を切る残り15分、ラッセルが新品ソフトでノリスのタイムを0.004秒更新。フェルスタッペンも7周使用したソフトで乗じる形で3番手に浮上。ノリスは最終セクターでミスが出る場面もあり、最終結果こそ2番手だが“トップ争い三つ巴”の構図がより鮮明になった。ハミルトンがターン9でクラッシュ、赤旗に路面温度が高い中でマシンの挙動が乱れ、ターン9でスピンしてバリアに接触。フロント右サスペンションを損傷し、セッション再開後も走行できず18番手で終了。フェラーリは予選までに大規模な修復作業に追われる。ローソンとハジャーは中団で競り合い、レーシングブルズは15・16番手レーシングブルズ勢はローソン15番手、ハジャー16番手。両者とも序盤はミディアム中心の評価ランを実施し、終盤のソフト投入で中団グループの中に滑り込んだ。セットアップ調整次第でQ2進出の可能性は十分に残る。角田裕毅は20番手、ペースとリズムが噛み合わず厳しい内容角田は中盤の接触によりマシン確認が必要となり、再度のアタックでも最適な温度域に入らず19番手。トップから1.359秒差と苦しい位置だが、予選までに車体のダメージ評価とセットアップ再構築が急務となる。いざ予選へ──三つ巴タイトル戦がクライマックスにノリスは安定した速さ、フェルスタッペンは着実な改善、ピアストリは一発の鋭さをそれぞれ披露し、三者三様の“武器”を持ったまま予選へ突入する。トップ10が0.388秒差以内という超接戦の中、誰がポールを取ってもおかしくない状況だ。F1 アブダビGP FP3 結果・ラップタイム1.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分23秒3342.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分23秒3383.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分23秒4584.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分23秒5855.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分23秒5936.エステバン・オコン(ハース) - 1分23秒6057.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分23秒6098.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分23秒6759.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分23秒70710.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分23秒72211.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分23秒79112.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分23秒81113.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分23秒87014.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分23秒89515.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分23秒94716.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分23秒97917.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分24秒07218.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分24秒47019.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分24秒50120.角田裕毅(レッドブル) - 1分24秒693