レッドブルF1代表のクリスチャン・ホーナーは、角田裕毅が苦戦を続ける中、同チームのF1マシンは「そこまで難しくはない」と主張した。ホンダの支援を受け、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして第3戦から起用された角田だが、オーストリアGPでは2周遅れの最下位完走に沈み、キャリアの新たな低迷期を迎えた。
角田はQ1でフェルスタッペンにコンマ3秒以内に迫るタイムを記録したものの、Q2進出はならず、18番手からのスタートとなった。決勝では、アルピーヌのフランコ・コラピントとのターン4での接触により10秒加算ペナルティを受け、挽回の望みも絶たれた結果、16位でフィニッシュした。「グリッド後方からのスタートに加え、コラピントとの件でペナルティも受けた」とホーナーは語った。「今日の彼のレースは本当に厳しかった。フラストレーションもあるが、すぐに気持ちを切り替えてシルバーストンに臨む」パドック内では、RB21が扱いづらい特性を持つという見方もあるが、ホーナーはマシンの設計哲学よりも「それ以上の根本的な問題」が角田を苦しめていると主張する。「このマシンは我々が何年にもわたって進めてきた開発の道筋の上に成り立っている。確かに簡単なクルマではないが、そこまで難しくもない」「だから、我々は彼と共に取り組んでいく。シルバーストンで何かしらの進歩が見られることを期待している」角田裕毅を巡る支援姿勢に関しては、レッドブルの「伝統」とも言えるセカンドドライバー交代劇が2025年も再燃しており、第2戦終了時点でリアム・ローソンが降格されている。だが、角田はローソンよりもフェルスタッペンに近いペースを記録しており、特にオーストリアではすべてのプラクティスで安定した走りを見せていた。しかし本番になると、その流れが一転した。「FP2とFP3ではまずまずだったのに、予選になると崩れてしまった。あのポジションからのスタートだと、接戦の中で信頼感を失ってしまう」とホーナーは認める。それでもホーナーは、角田に対してローソンのときよりも忍耐強くサポートする姿勢を示唆した。「我々は彼と共に取り組んでいく。立て直しに向けて支えていくつもりだ」