角田裕毅にとって、2025年F1モナコGPは忘れたい週末となった。Q2敗退に始まり、レースではピエール・ガスリーとの接触、さらに裏目に出た戦略も重なり、今季4度目のノーポイントに終わった。4月初旬にレーシングブルズからレッドブル・レーシングへ昇格して以降、角田裕毅は3戦でポイントを獲得しているものの、パフォーマンスの安定性という点では本人もチームも満足していない。
予選ではFP3まで好調なペースを見せていたが、Q2では0.683秒届かず、12番手に終わった。「正直、予選は本当にごちゃごちゃだったんです。モナコだし、簡単にはいかないって分かってたんですけど、それでも全部がかなり混乱してしまって、うまくまとめられなかったです」と角田裕毅は振り返る。決勝では、序盤にガブリエル・ボルトレトがクラッシュしてバーチャルセーフティカー(VSC)が導入されたタイミングで、レッドブル・レーシングは角田裕毅をピットに呼び入れる。だがこの“逆張り”戦略は裏目に出て、17番手まで後退する結果となった。その後はモナコ特有の“隊列”の一員となり、前に出るチャンスは訪れなかった。「とにかく、人生で一番長く感じたレースでした。あのポジションにいた以上、何か違うことを試すしかなかったんです」と角田裕毅。「特に前にいた2チーム(レーシングブルズとウィリアムズ)は、2台揃っていたので、何か仕掛けてくるだろうとは思ってました。実際、その通りでした。でも、結局は自分でそういう状況にしてしまったので、やっぱりもっと予選で前にいないといけなかったですね」そんな中、さらなるアクシデントが発生。ピエール・ガスリーのアルピーヌがブレーキトラブルに見舞われ、角田裕毅のRB21の右リアに追突。「あいつバカなの?何やってんの?」と無線で怒りを露わにしたが、幸いにもマシンに大きなダメージはなかったという。「衝撃はありましたけど、正直ダメージがあったかは分からないくらいで、普通に走りきれたので大事には至らなくてよかったです」と角田裕毅。この接触は、2025年シーズンに入って角田裕毅とガスリーが交錯した2度目のケースで、最初は第2戦ジェッダでのオーバーテイク失敗によるものだった。「FP3まではしっかりペースがあったので、それを活かせなかったのがすごく悔しいです」と角田裕毅。「各チームが戦略をいろいろ試すのは分かってましたけど、P12からのスタートではどうしようもないです。やっぱり予選でもっと上にいないとダメですね」最終的に角田裕毅は、76周目に2度目の義務ピットストップを行い、17位でチェッカーを受けた。レッドブル・ファミリーの中で唯一、モナコでポイントを獲得できなかったドライバーとなってしまったが、今週末のスペインGPでの巻き返しに期待がかかる。
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