ウィリアムズ・レーシングのチーム代表を務めるジェームス・ボウルズは、チームにとってF1グリッドの上位争いに戻る道のりは依然として険しいが、少なくともトンネルの先にようやく光が見え始めたと警告している。“快適”と表現したメルセデスF1を離れ、グリッド後方に沈むチームの運命を復活させるという挑戦に挑んだボウルズは、ウィリアムズの指揮を執って1年を迎えようとしている。
この12カ月間、ボウルズはウィリアムズの足かせとなっていた時代遅れのシステムやプロセスなど、着任当初に直面したいくつかの障害を少しずつ取り除き始めている。しかし、過去5年のうち4年間は最下位に沈んでいたウィリアムズが、昨シーズンのコンストラクターズ選手権7位というかなりの前進を遂げたことで生まれた勢いをボウルズがさらに発展させるには、インフラ整備が不可欠だ。シミュレーターのメカニズムや、マシンの開発ペースを向上させるためのツールやマシンといった「大物アイテム」がチームには欠けている。最近、設備投資額が2,000万ドルに引き上げられたにもかかわらず、この数字は歓迎すべきものだが、それでもまだ必要な額には1億3,000万ドル足りないとボウルズはKTM Summer Grillのインタビューで主張した。にもかかわらず、トンネルの先に光はあるかという質問に、ボウルズは「そうでなければ、私はここにいないだろう」と答えた。「メルセデスという素晴らしい会社の快適さを離れた。周囲には多くのワールドチャンピオンに輝いた類まれな仲間たちがいたにも関わらず、ここに来るために辞めた」「私がそうした理由は、我々が将来に向けて掲げているビジョンを信じているからだ」「ウィリアムズは、私がスポーツの世界で初めてフォローしたチームだ。そこには、ほとんどの人が夢見ることしかできない遺産が残されている。もしそれを疑うなら、ここに来てエクスペリエンス・センターを歩いてみてください。部屋に入ったときにそれを感じる」「あそこにあるチャンピオンマシンを見て回ると、今でも鳥肌が立つ。それらはすべて正常に動作している」「あなたの質問に答えると、その通りだが、それは一夜にして実現するものではない。それが私が本当に皆さんに伝えたいメッセージだ」「それらの施設のいくつかは、本当に大きなものをまだ購入していない。まだこれからだ。何百万ポンドもの設備を買って、それを設置することはできない」「その設備が稼働するまでには、12カ月、24カ月、場合によっては36カ月の道のりがある」「トンネルの先に光は見える。再び成功できる道筋は見えている。だが、その道のりは一朝一夕にはいかない」「とはいえ、それまでの間に毎年、我々がステップアップし、肩を高く上げ、前線への正しい道を歩んでいることを理解している姿を見てほしい」。ウィリアムズは2月5日にニューヨークからオンラインで新車を発表する予定だ。シェイクダウンの後、マシンは2月21~23日にバーレーンで行われるプレシーズンテストのためにトラックに乗り込む。
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