フォーミュラEが公開した次世代マシン「Gen4」が、F1関係者の間でも注目を集めている。最高速度335km/h超、0-100km/h加速約1.8秒、アタックモード時の最大出力600kWという性能は、シリーズのイメージを大きく変えるものだ。かつて2026年F1レギュレーションを「ステロイドを使ったフォーミュラE」と揶揄したマックス・フェルスタッペンも、この新型マシンについて非公式に「クール」と評したとされる。
複雑化するF1の新時代とは対照的に、フォーミュラEは電動レーシングの方向性をより明快に示そうとしている。Gen4が示したフォーミュラEの急激な進化フォーミュラEの新型Gen4マシンは今週、ポール・リカール・サーキットで公開された。性能数値だけを見ても、現行世代からの進化は明らかだ。最高速度は335km/hを超え、0-100km/h加速は約1.8秒、0-200km/h加速は4.4秒。さらにアタックモードでは最大600kWを発生し、全輪駆動による強烈な加速性能を備える。デモ走行を担当した元F1テストドライバーのジェームス・ロシターは、その変化の大きさに驚きを隠さなかった。「いや、正直に言って信じられなかった。ステップアップは本当に巨大だ。スピードは信じられないもので、ブレーキングゾーンの前に320km/hを超えて加速していく」「ストレートの終わりでは、F1マシンと同じスピードで走っている。600kWと全輪駆動による加速は、ドライバーの視点から言えば、2004年や2005年のF1でV10が感じさせたものに匹敵する」「加速が止まらない」電動マシンならではの衝撃ロシターが特に強調したのは、電動マシン特有のレスポンスだった。「奇妙なのは、加速がまったく止まらないことだ。アクセルを踏めば、欲しいものがその瞬間に正確に返ってくる。遅れも、ミリ秒のラグも、何もない。ただすべてのパワーが一気に来る」この発言は、フォーミュラEが単なる市街地レースシリーズから、純粋なスピードと加速性能でも強い存在感を示す段階へ入ったことを物語っている。新型Gen4は従来型より大幅に速くなると見込まれており、F2に近いペースへ到達する可能性もある。複雑化するF1との対比ロシターは、2026年F1レギュレーションとの違いにも言及した。「完全に正直に言えば、新しいルールはかなり複雑すぎると感じている」「ファンにとって理解するのは難しい。もし彼らがF1で何が起きているのかを理解できるなら、フォーミュラEには恋に落ちるはずだ。なぜなら、それを美しい形でシンプルにしているからだ」2026年F1は電動化比率の拡大により、エネルギー回生やデプロイメントの管理がレース内容を大きく左右している。一方でフォーミュラE Gen4は、電動レーシングでありながら「速さ」と「わかりやすさ」を前面に押し出している。フェルスタッペンが関心を示したとされるのも、単なる話題性ではなく、この方向性そのものに対する評価と見ることができる。F1を揺さぶる“電動レーシング”の再定義フォーミュラEはこれまで、F1とは別の価値を持つシリーズとして発展してきた。しかしGen4の性能が示すのは、電動マシンがスピード面でも本格的に比較対象となり得る段階に近づいているということだ。F1が複雑なエネルギーマネジメントを抱える一方で、フォーミュラEはより直感的な加速性能とシンプルな競技構造を打ち出している。フェルスタッペンの「クール」という反応は、その変化がF1ドライバーにも届き始めていることを示している。Source: GMM